寿町総合労働福祉会館建替え前の最後となる「ことぶき防災コンサート」が10月8日、同会館前広場で行われた。2016年4月から工事に入るため、同所での開催は3年間中断される。寿町の住民からは惜しむ声も聞かれた。
今回で10回目の開催となった同コンサートは、寿地区自治会や(公財)寿町勤労者福祉協会、中消防署などの協力ではじまった。
10年ほど前、会館前の広場には路上生活者がおり、冬には焚火がたかれるような状況だった。同協会は寿地区に住む誰もが利用できる広場にしたいと、対策を練っていたという。そんななか、当時の中消防署予防課長が同地区の防災啓発を図りたいと、広場を使ったコンサートと防災意識を高める企画などを提案し、開催する運びとなった。路上生活者が関係団体の協力で住まいを確保したうえで広場は開放され、現在はイベントなどの際に使用できるようになっている。
会場の設営は住民の手によるもの。寿町にあるアルコール依存症の人のための回復施設「第2・第3アルク」や、就労意欲を維持させることを目的にした「仕事チャレンジアシスト事業」の参加者などが中心となって、防災啓発のための横断幕や会場の椅子などを準備している。
当日は、市消防局音楽隊が「となりのトトロ」や石川さゆりの「天城越え」など全7曲を演奏し、会場からは曲のリズムに合わせて手拍子が起きるなど、演者、参加者が一体となって会場を盛り上げたほか、最後には消火器の使用法紹介も行われた。昨年もコンサートを聞きに来たという寿町に住む男性(66)は「童心に帰った感じで楽しかった。最後になるかと思うと寂しい」と話していた。
来年以降は検討
同自治会の佐藤眞理子事務局長(63)は「地元の方の協力で10回目を迎えられた。3年間中断すると、再開は難しいかもしれない。今後についてはいろいろな方と話し合いながら検討していきたい」と話す。
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