戸部警察署=西区=管内で今年発生した振り込め詐欺の被害額が、10月に1億円を突破したことが分かった。管内では過去最大の被害額と見られる。発生が増加傾向となる年末に向け、同署では関係機関と協力し更なる被害の阻止に動いている。
西区では今年に入り、過去最悪だった昨年の32件を上回るペースで振り込め詐欺の被害が増加。6月末時点で前年同時期の5倍近い約4000万円の被害があった。8月には80代女性が名義貸しトラブル解決名目の架空請求詐欺で4200万円の被害にあうなどし、10月10日時点で被害額が1億円を突破。11月20日現在で被害件数30件、被害額は約1億400万円にのぼっている。
こうした事態を受け、同署では今月8日に詐欺撲滅緊急対策会議を招集。通常12月に行われていたものを前倒しして開催し、現状の情報共有や窓口対応での阻止協力を防犯協会会員や金融機関に呼びかけた。
手口は手交型と呼ばれるキャッシュカードを犯人側が直接取りに来るものから市職員を装った還付金詐欺までさまざま。駅に近い古くからの住宅街が狙われており、戸部署生活安全課は「波のように押し寄せてくる」と表現する。
先月だけで10件阻止も・・・
戸部署や西区役所では今年に入り「だまされた振り作戦協力家庭」と書かれた撃退用のステッカーや、巡回中のパトカーからの子どもの声による注意喚起、「電話かけまくり作戦」と題し犯人からの着信が多い時間に合わせて警察から注意喚起の電話を各家庭にかけるなどの対策を行っている。金融機関にも窓口での被害防止協力を呼びかけた結果、今年は10月だけで10件の被害を阻止。年間通して6件だけだった昨年を大幅に上回る結果に結びついている。今月下旬からは手口や被害の情報を即座に共有できるよう、金融機関への一斉FAX送信も始めた。「窓口での声掛けは利用者から苦情を言われることもある中で、各機関で意識高く対応いただいている」と同課の長谷川正悦課長は話す。
間門小児童がお手柄
県警では金融機関などに加え「子や孫から詐欺を防止しよう」と、若い世代が阻止の担い手となるべく取り組んでいる。
こうした中、詐欺の被害を未然に防いだとして、中区の間門小学校5年生の藤田杏さん(11)に山手警察署の本城宏一署長から11月20日に感謝状が贈呈された=写真。
11月5日、70代の藤田さんの祖母にデパート職員を名乗る男から「カードが不正利用されている」という電話があった。杏さんは「おばあちゃんはクレジットカードを持っていないのにそんな電話がかかってくるのはおかしい」と思い、祖母に詐欺だと伝え被害を防いだ。
県内で小学生が詐欺を防いだことに対して感謝状が渡されたのは初めて。
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