横浜市教育委員会は昨年3月に策定した「教職員の働き方改革プラン」に基づき、欠席連絡や配布物の効率化を目的に、メールや自動音声による情報共有システムを今月から市立学校6校で試験導入する。
市教委が2014年に公表した業務実態調査では、約9割の教職員が忙しさを感じ、授業準備にあてる時間の半分以上が勤務時間外であることなどが浮き彫りに。これを受け策定した同プランは「業務改善支援」「学校業務の適正化、精査・精選」など4つの戦略が軸。中でも最重要視するICT(情報通信技術)等を活用した業務改善支援の一環として、今回の試験実施に至った。市教委によれば同様の取り組みは全国でも稀だという。
欠席連絡を自動で
内容は次の3点。連絡帳や電話でしていた欠席連絡を多言語対応の自動音声ガイダンスに従って入力することで、情報が自動集計される「24時間欠席連絡受付」。
紙で配布していた学校行事の出欠やアンケートを保護者にメール送信し、パソコンやスマートフォンから直接回答できる「学校情報のデジタル配信&返信」。
災害時の連絡で迎えに行く時間等を学校に返信できる「災害時等緊急情報の送信&返信」だ。
特に学校情報のデジタル化は教職員の要望が多い機能の一つ。クラス毎や個人など対象を絞って送信でき、紙のコスト軽減も期待できる。
システムは保護者の同意を得た上で実施。ネット対応が難しい家庭などは従来通りの方式をとる。
6校で試験導入
今回の対象は市立小中高および特別支援学校6校。導入校の一つ、蒔田中学校=南区=は夜間学級でも導入。職員は「学校の電話回線は一つのため、繋がりづらかった欠席連絡などは改善されるのでは。全教員が使いこなせるかなど、実際にやってみないと分からない部分もある」と話す。
市教委は業務短縮効果を1カ月で約3時間半と想定。試験期間は1年で、学校、保護者の意見をもとに全校実施を検討する。また4月から「職員室業務アシスタント」を全小中学校に配置。現在人員を募集している。
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