江戸時代に10年以上におよぶ難工事により開墾された中区と南区にまたがる「吉田新田」。同所の成り立ちにまつわる伝承「お三の宮伝説」を題材にした、朗読とドラマを組み合わせた配信映像が9月中にユーチューブで公開された。同作で監督を務めた市川徹さん=西区中央在勤=は「ドラマチックなストーリーを楽しんでもらえたら」と話す。
同作は吉田新田を埋め立てる際、成功を祈って自ら「人柱」として命を絶ったお三に焦点を当てた。新田開墾に尽力した吉田勘兵衛とお三の出会いや、命を賭すことを決心した際の2人の会話などを創作している。約19分におよぶ朗読とドラマを映像に収め、映像には関内駅前や藤棚商店街など中区と西区の各所が登場。横浜の礎ともなった同所を、歴史から発展の様を伝えている。
経歴生かした同作
市内で育った市川さんは、現在藤棚商店街内のコミュニティスペース「ピュアステージ」を営む。同スペースは朗読や寸劇などの披露の場となっていたが、現在は新型コロナウイルスの影響で自粛。そこで違った形での発信を考えていたところ、横浜市のコロナ禍の文化芸術活動を支援するプログラムを知り、それを活用し今回の制作を決めた。
また市川さんはテレビ局での勤務や映画監督として100本以上に携わった経歴を持つ。今回の原作となった脚本は20
代の頃のテレビ局時代に企画し、長年温めていたもの。同作を今の時代に則した内容に脚色するため、横浜市歴史博物館や中央図書館などに足を運び、資料収集・権利許可の取得など準備を行った。その後、撮影や編集などを行い、約2カ月間で完成させた。
後世に歴史伝える
同作はお三の命日(9月13日)に合わせ公開。市川さんは「かつての横浜について、今の若い人たちは知らないことも多い。その人たちに大好きな地元・横浜の歴史を伝える作品の一つとなれたら」と思いを込める。同作はユーチューブで「横浜 お三の宮伝説」と検索すれば、閲覧可能。
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