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3本指立てたミャンマー選手 YSCCの練習生に グラウンドで汗流す

スポーツ

公開:2021年8月12日

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吉野社長に励まされるピエリアンアウンさん(左)=7月31日
吉野社長に励まされるピエリアンアウンさん(左)=7月31日

 試合前の国歌斉唱の際に3本指を立て、軍の圧政に抗議の意思を示したミャンマーのサッカー代表選手・ピエリアンアウンさん(25)がこのほど、中区本牧を拠点とするJ3リーグ所属・YSCC横浜の練習生になった。母国の子どもたちにサッカーを教えることを夢見て、まずはミャンマー人初のJリーガーをめざす。

 7月上旬に練習に参加、チームから評価を受け練習生としての受け入れが決定。7月31日には、中区矢口台のYC&ACのグラウンドで行われたチームの練習に合流した。

 ピエリアンアウンさんはサッカーW杯の予選でミャンマー代表として来日。5月28日の日本戦で、国歌斉唱の際に自らのチームが軍事クーデター政権を代表したものではないことを示そうと、3本指を立てた。

 そのまま帰国すると拘束などの危険性があるとして日本に留まることになり、日本国内の支援者らのサポートを受け、現在、難民認定を申請中だという。

 そんな折、(株)YSCCの吉野次郎社長のところに知人を介して同選手の受け入れについて打診があった。吉野社長は「プレーする場を失ったサッカー青年に場所を提供するのは当然だと思った」と、その準備があると回答。YSCCには8カ国の選手が所属しており、「多様な人たちを受け入れていくのが横浜の歴史」(吉野社長)として、受け入れる素地があったことも今回の迅速な判断につながった。

母国で「サッカー教えたい」

 練習合流初日となった7月31日。ピエリアンアウンさんは、1時間ほど汗を流したのち、報道陣の取材に応じた。

 サッカーができる環境を得たことについてYSCCに深く感謝。一方で、「グラウンドの外に出ると母国を思い出し悲しくなる」と率直な思いも語った。「一生懸命練習して、いずれはミャンマーに帰って子どもたちにサッカーを教えたい」と話していた。

 吉野社長は「Jリーガーになってほしい。いずれは本国に帰って、日本でプレーできてよかったと思えるようになれば」と期待する。

 同選手が3本指を立てたことについて、当初から支援するジャーナリストの木村元彦さんは、「政治的な意図はなく、サッカーをプロパガンダとして使ってほしくない、政治とサッカーを切り離してほしいという純粋な思いからだ」と説明している。

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