衆議院議員選挙の投開票が10月31日に行われた。神奈川1区(中区、磯子区、金沢区)では、立憲民主党の篠原豪氏(46)が選挙区で初当選した。前職で今回無所属での選挙となった松本純氏(71)は議席を失った。2区(西区、南区、港南区)では、前職・菅義偉氏(72)が次点候補に大差をつけて9選を決めた。
松本氏、8選ならず
1区は、立民の前職・篠原氏が共産党支持層に加え、無党派層も取り組み約10万票を獲得、3度目の挑戦で初めて選挙区を制した。
緊急事態宣言中に銀座のクラブを訪れた問題で自民党を離党し無所属で挑んだ前職・松本氏。安倍晋三元総理が21日、河野太郎氏が24日、麻生太郎副総裁は23日と最終日の30日と、自民党の大物たちが次々に応援に入った。しかし、有権者からの信頼を取り戻すことはできず約2万4千票差で8選を逃した。
浅川氏、比例で復活
維新の新人・浅川義治氏(53)は保守層の支持を一部取り込み比例関東ブロックで復活初当選。
31日、午後8時30分ごろに速報で当確が流れた篠原氏の選挙事務所は、大きな歓声と拍手に包まれた。篠原氏は「県庁所在地のある1区で野党が一本化し勝利した意味は大きく、責任の重さを痛感している。国会で戦うチャンスをいただいたので、全力で仕事をさせていただく」とあいさつした。初当選の浅川氏は「信念を貫いて訴えてきたことが有権者に伝わったと思う」と話した。
落選となった松本氏は「(銀座クラブ問題の)影響は大いにあった。ご批判を受け対応してきたところだが努力が足りなかった」と話し、「再出発」として政治活動を継続する意向を示した。
地元入り5日間
2区は、自民党の前職・菅氏が約14万6千票を獲得し、立民の元職・岡本英子氏(57)を大差で下して9選を決めた。
菅氏は安倍政権の官房長官として臨んだ前回の2017年衆院選では、選挙期間中、2区内で活動したのは1日だけ。一方、今回は公示の19日と最終日の30日を含めて計5日間、2区内で活動。各所で街頭演説を行い様々な政策を後押しする必要があると前首相としての責務を強調した。
破れた岡本氏は共産党の支援も受け、野党統一候補として政権交代を訴えたが、その思いは届かなかった。
コロナ対応に追われる中、8月の横浜市長選挙で菅氏が支援した小此木八郎氏が立民推薦の山中竹春氏に敗れ、内閣支持率が低下。結果的に退陣を迫られる形になっただけに、陣営からは「今までにない危機感を覚えている」との声も聞かれたが、終わってみれば得票率は過去2番目となる約61%だった。
31日、午後8時過ぎにテレビで当選確実が報じられ、その後に姿を見せた菅氏は脱炭素社会の実現やデジタル庁の設置、不妊治療の保険適用などを「前に進めていく責任がある」と語った。
横浜市内全体の投票率は56・07%。1区の投票率は53・99%だった。中区は52・24%で前回比4・46ポイント増。市内18区中17番目だった。2区の投票率は56・00%。西区は56・68%で前回比5・55ポイント増。市内18区中7番目だった。
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