中区・西区で昨年1年間に発生したいわゆる「振り込め詐欺」をはじめとする特殊詐欺被害の認知件数が、5つの警察署管内すべてで前年より増加していることが分かった。各署ではATMへの巡回強化や町内会などでの防犯講話といった被害防止策を続けている。
本紙が各警察署に確認したところ、中区内の4警察署(伊勢佐木・加賀町・山手・横浜水上)管内で昨年1年間に発生した振り込め詐欺は35件(前年比+18件)で、被害額は約1億2870万円(同+9125万円)。山手署では被害額が1億円を超えたほか、加賀町署などでは過去最悪の件数となっている。
西区を管轄する戸部警察署管内では、被害額こそ約3650万円(一昨年約8160万円)と減少したものの、件数は31件(一昨年16件)とほぼ倍増となった。今年も1月時点で過去最悪だった昨年を上回る発生ペースだという。
被害事例の傾向は地域によってバラバラだが、中区では「有料サイトの料金未払い」などをかたる架空請求が、西区では警察官や大手デパート従業員を名乗りキャッシュカードをだまし取る「キャッシュカード手交型」の事例が主に増えている。
また、年度末にかけては区役所職員を名乗り「医療費が戻る手続き期限が今日までです」などと無人ATMへ誘導する「還付金詐欺」が増える傾向にあることから、各署ではコンビニや金融機関にあるATMへの警戒を強めている。
「他人事と思わず警戒を」
こうしたなか、西区の藤棚商店街にある交流施設「藤棚わいわい広場」で1月29日、戸部警察署員による被害防止セミナーが地域住民を対象に開催された。
この試みは地元の第3地区懇談会第1部会と、藤棚商店会の共催。昨年から住民が気になる話題のセミナーを定期的に開催しており、今回は振り込め詐欺被害をテーマに据えた。
講師を務めたのは、戸部署生活安全課の小山内哲也さん。30人近い参加者を前に、まずは犯人との実際のやり取りの音声を紹介。録音している旨を相手に伝えると電話が切れたり、ATMの前で言葉巧みに振り込み手続きをさせる様子に、参加者からは驚きの声が上がっていた。
小山内さんは「詐欺の犯人が嫌がるのは、何度も確認したり、録音していると伝えること。カードや現金を警察や百貨店の人が取りに来ることはないので、絶対に渡さないでください。他人事と思わず注意してほしい」と訴えた。
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