第57回関東甲信越理容競技大会「JIG」部門で優勝した 小松崎 淳史さん 松ケ丘在住 36歳
地道な努力を自信に変えて
○…「昨年は不甲斐ない成績だったから頭を丸めた」。今大会は並々ならぬ思いで掴んだ優勝だった。課題種目・JIG部門にエントリー。「きれいにパーマ感を出すこと」を目標に、31分間という制限時間の中で、軽やかで動きのあるエアリーなヘアスタイルを表現した。「練習から100点以上になるよう練習してきた。周りに支えられながら、モデルさんと二人三脚で勝つことができた」
○…出身は茨城県鉾田市。幼い頃は自宅で理容室を営む母に髪を切ってもらっていたが、同じ道に進むことは考えていなかった。高3のとき「フリーターになろう」と思っていた矢先、友人の「フリーターになって働くより、専門学校に行けばもう1年遊べる」という一言で理容学校へ進学した。学生気分を味わったのち、20歳で東京で就職。全寮制の店だったため「最初に覚えたのは米の炊き方」と苦笑する。「店がたまたまコンテストに力を入れていた」という出会いからコンテスト人生が始まった。
○…コンテスト本番でも実力を見せつけ順調に見えたが、周りからの期待が知らぬ間に負担となり、パニック障害になったこともあった。「人前に出ると気持ち悪くなったけど、それでも人前に出続けた」と振り返る。28歳で松ケ丘に開業したのも「実家が全焼したので、ある意味帰る場所がなくなったから」と話す。理容師のやりがいは「他の店でうまくいかなかった部分が、ここで切ったらよくなった」と言われた時だ。
○…通常営業が終わると、県外へ練習会に行くこともある。たまの休みには小2の息子と三ツ沢のせせらぎ緑道でザリガニ釣り。「コンテストが終わったらお客さんや家族に時間を割きたい」。銭湯の下駄箱でも、無意識のうちに「1番」を選んでしまうほど内に秘めた想いはアツく、「今後は若い人に理容を広めて、自分と同じ経験をさせてあげられれば」と、理容業界の将来も見据える。
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