元ダンサーで子育て中のママにダンスプログラムを行っている 鈴木 淳子さん 橋本町在住 41歳
ダンスで恩返し
○…北野武監督作品『座頭市』のタップダンスのシーンに出演した実力を持つ。現在は2児の子育てに奮闘しながら、コットンハーバーにある親と子のつどいの広場「ほしのひろば」で、子育て中のママを対象に「えいごでHIPHOP」の講師を務める。洋楽に合わせてUP、DOWNなど簡単な単語を使って体を動かすプログラム。「自分ができることで地域のママの役に立てるのが嬉しい」と微笑む。
○…川崎市出身。3歳からバレエ教室に通っていたが、「ダンスで食べていけるはずがない」と父が大反対した末、10年で辞めることに。それでもあきらめきれずに、自力でバイト代を稼いでジャズやタップを習った。高校時代、ローラースケートのダンス大会で全国二連覇を成し遂げると、東京ボンバーズとともに各地のイベントに出演。「新参者が全国優勝してオファーが来たことを良く思わない子もたくさんいた」と孤独も感じたが、踊れる喜びに満ちた日々を送った。
○…高校を卒業し、ニューヨークのダンスカンパニーに就職。唯一の日本人ダンサーでありながら、全米ツアーなどに参加。30歳の頃、日本タップダンス界の第一人者・HIDEBOHとの縁で『座頭市』への出演を果たした。ダンスの魅力は、現地でのボランティア活動で実感。「虐待された子どもたちは気持ちを察するのが上手で、一生懸命踊った人には拍手をくれた。とても思い出に残っている」と笑みがこぼれる。
○…フランスで活動していた元カメラマンと結婚。夫婦2人の頃は専らカフェめぐりをする一日だったが「息子が焼肉好きなので、今は焼肉めぐり」と苦笑い。互いに海外で生活していたため、日本に戻り文化の違いに苦労することもあるが、幼稚園ではクラスの役員としても活動している。ダンス、子育て、全てにおいて「人の縁」に恵まれた。「私と主人は多くの外国人に助けられた。いずれ日本に訪れた外国人の手助けをしたい」