認知症高齢者を街で守る啓発イベント「オレンジプロジェクト」を企画した 原島 隆行さん 六角橋在勤 29歳
地域を結ぶ仕掛け人
○…世界アルツハイマーデーに合わせ、昨年度から「オレンジプロジェクト」を企画。昨年は地域住民や大学生、商店街を繋いで六角橋地域をオレンジ色に染めた。今年は「多世代の人が交流することで認知症の人へのマイナスなイメージを払拭したい」と願いを込め、13の企画でイベントを盛り上げる。
〇…埼玉県出身。子どもの頃から責任感が強く、何事も最後までやり抜くことを大切にしている。小学3年生から続ける書道は師範級の腕前を持ち、商店街に飾るのぼり旗の字も手掛けた。好奇心が旺盛で中学校では野球、高校では吹奏楽に熱中した。就職氷河期と叫ばれるなかで、「ニーズが高まる福祉関係の仕事がしたい」と日本社会事業大学へ進学。福祉の観点から地域のコミュニティづくりを学んだ。
〇…在学中は視野を広げようとアメリカやフランスなど海外に飛んだ。「困っている時に声をかけてくれる人が多かった。何とも自然な声かけだった」と振り返り、「日本の街中でこの優しさが溢れたらどんなに良いだろう」と地域福祉の世界へ飛び込んだ。介護事業所の職員として3年間現場を学び、六角橋地域の地域交流コーディネーターに。地域を繋げる「ネットワーカー」として地域の点と点を結んで線にする。たくさんの壁と向き合いながら「まち×学生プロジェクト」をはじめ、多くのアイデアを形にしてきた。「フットワークと粘り強さがないとできないこと。何回も顔を合わせて思いを伝えてきたことがやっと形になりつつある」と笑顔を浮かべる。
〇…私生活も順風満帆だ。2年前に鵠沼にマイホームを購入し、今年の3月には娘が誕生した。「仕事が忙しく子育てに参加できず、奥さんに申し訳ない」と顔をしかめるが、娘の影響もあり、子育て事業にも力が入るという。「六角橋から神奈川区全体へ。優しい街づくりが進むことを願ってやまない」
|
<PR>