中学男子柔道81kg級で全国3位となった 小泉 孝介さん 六角橋中3年
チャレンジ精神忘れずに
○…全国各地の予選を勝ち抜いた強豪らがこの夏、柔道の日本一を争う熱い戦いを繰り広げた。大会前、師と仰ぐ地元道場の館長から「お前はチャレンジャーだから攻める気持ちを忘れるな」と送り出された。その言葉を胸に3回戦では延長戦を制し、準々決勝ではラスト3秒で技ありを奪うなど粘り強く駒を進めた。準決勝で敗れはしたものの、個人戦では初めてとなる銅メダルを獲得。「自分に何が足りなかったかを考え、今後にいかしていきたい」と悔しさをにじませる。
○…姉を追うように5歳で柔道場の門を叩いた。妹も将来を期待されている柔道一家。五輪メダリストを輩出する名門で揉まれながら、少しずつ実力を伸ばしてきた。小学6年生のときに出場した団体戦で全国制覇。当時からしのぎを削るライバルたちの存在が原動力だ。「勝ち負けではなく、いかに自分の技が繰り出せるかどうかを大切にしている」
○…部活の後、週5回は道場に通う。得意技を聞くと「一つだけですか」と笑って返答。内股や大外刈り、大内刈りなど切れ味鋭い多彩な技を持つ。柔道には楽しさと怖さの両面がある。「世界選手権を制した大野将平選手の真っ向勝負する姿勢は見習いたい」と精神面での意識改革に取り組んでいる最中だ。
○…中学校ではごく普通の青年。器械運動は得意だが球技は苦手。幼くして母を亡くし、フランス料理人の父が男手ひとつで育ててくれた。平日はきょうだいで家事を分担。「野菜を切ることだけはプロ並みですよ」と笑う。「3位だったので父も本心からは喜んでいない。インターハイで優勝してほめてもらいたい」と高校での親孝行を誓った。「今は柔道以外やることないです」と愚直に柔の道を追求する。
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