創業40年「呉竹鮨」の店主で、ライオンズクラブなどを通して地域活動に取り組む 土屋 清次さん 大口通在住 63歳
「義理と人情」のアツい親父
○…板前と客が楽しげに会話する姿が印象的な「呉竹鮨」を構えて40年。妻や息子たちとともに店を切り盛りしている。「『ありがとう。おいしかった』と言われた時は嬉しい」。神奈川東ライオンズクラブでは会長を2度務めた。学生に薬物乱用防止を訴えたり障害者を対象としたボーリング大会を行うなど、地域のために力を注ぐ。「奉仕活動は大変だけど、子どもたちの笑顔を見ると胸がすっきりして、力がもらえる」と深くうなずきながら答えた。
○…生まれは山梨県塩山市。幼い頃に母親を亡くし、2人の弟のために料理を作ることが多かった。「親父がたまに寿司を買って帰ってくることがあって、それが美味しかった」。将来の夢は寿司屋になった。中学を卒業し、東京都品川の寿司屋に弟子入りした。「見て覚えろという時代。なかなか包丁を触らせてもらえなかった」と振り返る。集団就職で職場内での競争も激しく、途中で挫折する者も少なくなかったが、夢を諦めることはなかった。
○…10年修業した後、妻と大口に「呉竹鮨」を構えた。当時は6坪ほどの小さな店だったが「店を出した時は本当に嬉しかった」。店はすぐに軌道に乗り、地元でも老舗の店となった。店にいつ行っても客でにぎわっている理由は「会社を相手にする寿司屋が多いけど、うちは地元の人を大事にしてきた。義理と人情だよ」という、開店当初から変わらない信念。20年前から店で年2回行っている寄席は、地元でもおなじみだ。
○…休みとなれば、専らゴルフで日頃の疲れをリフレッシュしている。来週もゴルフコンペを行う予定。修業を終えた息子2人も板前として店を支える。妻や26年勤める板長たちに囲まれ「継いでくれて助かっているし嬉しい。幸せ」と照れ臭そうに答えた。「この店を守るので精一杯」としながらも「いつかは近くで小さな飲み屋でもやろうかな」。アツい親父は地元を愛してやまない。
|
<PR>