神奈川区国際交流の会「KANAK」代表を務める 杉山 秀子さん 白楽在住 66歳
本当の「家族」のように
○…35年間客室乗務員として世界中を飛び回った。仕事を引退後、地元の六角橋商店街を散歩している時に「KANAK」と出会う。「国際関係のことは、何かしら続けていきたかった」との想いもあり、同会の日本語教室を手伝い始めた。6年前に代表を引き継ぎ、現在は毎週十数人の生徒に日本語を教えている。先日、フィリピンを襲った台風30号の被害を受け、フィリピン人生徒と共にチャリティー活動も始めた。
○…若い頃から海外への憧れが強かった。当時はまだ、女性が仕事をすること自体が珍しい時代。客室乗務員は女性たちの憧れだった。某大手航空会社に就職後は、願いどおり世界中の都市に行くことができた。どの国に行くのも楽しみだったが、特に気に入っていたのはヨーロッパ。中でもパリとミラノがお気に入りだ。「あらゆるものがお洒落。食べ物もワインも景観も、何度行っても飽きることがない」と微笑む。
○…日本語教室の生徒たちとは、プライベートでも仲が良い。中国をはじめ、ペルー、ケニアなど出身は様々。役所手続きなど生活のあらゆることをサポートしているため、メンバーの信頼は厚い。教室後はもちろん、休日でも連絡を取り合い六角橋などで食事やカラオケなどを楽しんでいる。一緒に温泉に行くこともあるなど、まるで「家族」のような付き合いだ。
○…現在、夫と2人暮らし。仕事をしていた頃にゆっくりとした時間を取れなかった分、現在は旅行に行くなど2人の時間を満喫している。夫も「KANAK」の事務管理にかかわっており、メンバーたちの評判も良い。「家族」のような関係の同会だが、課題もある。「1、2回来てすぐにやめてしまう人もたくさんいる。そういった人たちも続けたいと思える環境を作っていきたい」。外国での暮らしには不安がつきもの。そんな人たちの受け皿としての機能を充実させ、今後も「家族」を増やしていく。