宮中の新春行事「歌会始の儀」で自身の短歌が披露された 小林 理央さん 三ツ沢下町在住 15歳
人生の旅路楽しむ
○…〈この本に全てがつまつてるわけぢやない だから私が続きを生きる〉。大好きな本を読み終えたときに感じた寂しさから、”ずっと物語の世界に留まらず、本の外にある人生を切り開いていかなければならない”という気持ちをストレートに表現。初めての応募で最年少入選し、天皇皇后両陛下や皇族方を前に披露された。「選ばれて驚いたけど、とても嬉しかった」と頬を染める。
○…区内で短歌サークルを主宰する祖母の影響で、5歳から短歌を詠み始めた。小学校時代は夏休みになると30〜50首を詠み、自由研究は短歌絵日記だった。6歳から数多くの大会に応募し、NHK全国大会では大賞に選ばれたことも。「限られた字数で表現するのが楽しい」と魅力を語る。四六時中考えているわけではなく、「月に一度、反町にある祖母の家で短歌の会を開くときに集中して作る」。言葉を紡いでしたためたノートは20冊に上る。
○…幼い頃から本の虫。一日一冊ペースで読破していた時期もある。通学カバンに入れて、都内の中学校へ行く道中にも物語の世界を旅する。ジャンルは人気小説からギリシャ神話までさまざま。歌にある”この本”を指す『図書館戦争』シリーズを書いた有川浩氏の作品は全て読んだ。絵を描くのも好きで、運動会のメダルデザインや校内冊子の表紙を手がけたことがあるほど。「ベルばらみたいな(漫画風の)絵も描く」と笑う。
○…学校ではサッカー同好会で汗を流し、昨年4月には友人たちとかるた同好会を発足させるといったアクティブな一面も。小学校から都内に通っているが、保育園時代の友人たちとは今でも家族ぐるみで豊顕寺へ花見に出かける仲だ。プログラミングを学べるITキャンプに参加したことがきっかけでアプリ制作に興味を持つが、将来の夢はあえて定めない。「やりたいことがやれたときに”これが将来の夢だな”と言えるといいなって思う」