5月に横浜美術協会の会長に就任した 岩崎 美代子さん 神奈川区在住 76歳
結束して美術の魅力発信
○…昨年100周年を迎えた「横浜美術協会」の初の女性会長として約250人をまとめる。新型コロナの影響で5月19日からを予定していた横浜市民ギャラリー全館貸切イベント「ハマ展会員会友展」が中止に。一方、在籍50年、30年の会員による「歴代功労者展」(6月8日〜13日、仲通りギャラリー)は、なんとか開催に漕ぎつけた。「久保田前会長の企画です。出品者の長年の功績を労えれば」とほっとした面持ちで語った。
○…東京芸大大学院1年生で初めて同協会主催の作品展に出品、協会賞に輝いた。そして会員からの推挙もあり入会、今年で53年目となる。経理を担当したこともあり事務局をよく知っていると前会長から会長就任の打診を受けた。その後の正式オファーに「覚悟を決めて」引き受けた。
○…実家は東横線白楽駅にほど近く、中学高校はフェリス女学院で学んだ。高校1年で初めてデッサンに挑戦。題材は「ガラスのコップだった」と振り返る。狭き門で知られる東京芸大に現役で進み日本画を専攻。大学院の頃には恩師の助手として法隆寺金堂壁画再現事業にも携わった。結婚後は、子育てをはじめ色々と忙しくしていたが、画は描き続けていたという。今では娘2人も独立、夫と2人で暮らす。時折、個展を開くが、「娘が孫を連れて見に来てくれますよ」と目を細めた。
○…歴史ある美術協会だが、出品数の減少や若手会員の減少など課題も多い。「前会長の仕事を継承しながら、若い力を取り入れていきたい。男も女も関係ありませんね。団結が大切です」と意気込みを語る。コロナ禍、一大イベントである秋の「ハマ展」に向け、チラシの校正など会長の初仕事も「在宅ワーク」となった。