ドラフト会議で東京ヤクルトスワローズから1位指名を受けた慶応大の投手 木澤 尚文さん 日吉在住 22歳
思い出の地で活躍誓う
○…「ボールの強さが武器」と話す最速155キロの本格派右腕。1巡目の指名に「驚きと同時に、期待に応えないとという責任を感じた」と回想する。目標は”開幕一軍”。「1年間チームの戦力になれるように」と、現在は体力強化など春のキャンプに向けて研鑽を積んでいる。
○…千葉県出身。友人に誘われ、小2で少年野球チームへ。身長が高く当時からポジションは投手。6年時には県選抜に選出されるなど才気の片鱗を覗かせていた。甲子園での活躍や早慶戦への憧れから慶応高校へ進学。そのまま慶応大に進み、7年を日吉の地で過ごした。大きな転機は大学2年で迎えた、秋の早慶戦。先発を託されるも3回で降板し、「何がではなく、全て通用しないと痛感した」という悔しさが成長の糧になった。なかでも当時の助監督の”考えて練習すれば必ず上手くなる”という言葉は、「闇雲に量をこなすのではなく頭を使うことの大切さを学んだ」と野球観に大きな影響を与えたという。
○…「野球を忘れる時間はない」と休日もメジャーリーガーの投球動画を見て、選手や指導者の著書を読んで過ごす。そんな中、高校時代は練習終わりに週6日は通ったというのが、日吉の定食屋『とらひげ』。お気に入りの”にら丼”などボリューム満点の料理が183cmの体を育てた。「ご飯だけでなく、色々な相談もできる実家のような存在」と微笑む。
○…対戦が楽しみな選手は、郡司裕也捕手(中日ドラゴンズ)。「練習でも打たれた記憶しかない」という大学の1学年上の先輩だ。ヤクルトの本拠地・明治神宮野球場は共に汗を流した思い出の地。「自分を成長させてくれたマウンドで、三振を取ることで恩返しをしたい」と意気込む。