神奈川消防署長に就任した 藤沢 直樹さん 保土ケ谷区在住 57歳
チームで災害ない街へ
○…約40年前、初任地となったのが神奈川消防署。本署と複数の出張所のほか市民防災センターを歴任して以来、署長として再び神奈川区に。「区民の安全安心のためには、職員がやりがいや目標を持っていることが大切。そのためにも教育や訓練、設備などの充実などを図っていきたい」。新人時代の記憶とは異なった区内を駆け回り、出張所にも足を運ぶなど現場の職員との交流に力を入れる。
○…長野県出身。高校卒業後の進路を考えていたところ、地元消防士の話を聞き同じ道を志望。しかし就職時に地元での採用が無く、道を開いてくれた消防士の出身が横浜市消防局であったことから故郷を飛び出した。当初は数年で地元の消防に移る想定だったが、救助技術大会では団体・個人で全国まで駒を進めるなど充実した日々を過ごす。そのうちに特別高度救助部隊の創設やヘリコプターの高性能機体の導入など大きな事業に携わり、帰郷することなく現在に至っている。
○…中学校ではバレーボール、高校では野球に汗を流しチームワークの重要性を学ぶ。高校2年生で腰にけがを負い、マネージャーに転向したことで縁の下の力持ちの存在を知った。時は経ち、30代半ばからは経理や総務などの仕事を任され、消防の現場で汗を流す職員のために奔走したこともあり、「表に出るタイプではないんだけどね」と冗談交じりに笑う。
○…現在は妻と保護猫3匹と暮らす。「仕事では十数年先を見据えていたが、いざ自分ごととなると明確な目標を持つのは難しい。ただ60代でも新しい挑戦をしていきたいですね」と心境を語る。定年を前に就いた神奈川消防署長の職。「災害のない街」を目標に、チーム一丸となって責務を全うしていく。