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歯科 歯周病の放置はなぜいけないのですか？
村野 嘉則院長
歯
周病菌は単純に歯や歯茎に対しての影響を考えがちですが、体全体の健康を損なうおそれがあることがわかってきました。
危険な例として歯周病が動脈硬化を促し、脳梗塞や脳出血を引き起こすという報告もありました。また、糖尿病や脳卒中、心筋梗塞、誤嚥性肺炎などの病にも関わりが強いことが判明してきています。
これは、歯ぐきから細菌や毒素が体中のあちこちに入り込み悪影響を及ぼしていることが原因です。
他にも、肥満や高血圧、骨粗しょう症、腎炎との関連、また早産・低体重児出産などの妊娠トラブルの誘発など、解明が十分ではありませんが、様々な病気の原因となっているのでは、と仮説が生まれています。
歯周病は40代で８割、50代以降ではそれを超える割合で症状が見られる『身近にある危険』です。
最初は歯ぐきの腫れや出血が見られます。そのままにしておくと歯がぐらつき最後には抜けてしまい、義歯を使うことになります。
最近はインプラントでも同じような症状になることがわかってきました。歯周炎に相当するインプラント周囲炎まで進行した時に周囲の骨が失われるスピードは、自分の歯の数倍ともいわれています。自分の歯に比べて進行が速いにも関わらず、気づくのは遅れがちです。インプラントを埋入前の歯周病治療と埋入後の定期チェックが大切になります。
身近なだけに軽視しがちな歯周病ですが、身近だからこそ、放置せずケアを大切にしたいものです。
対策は難しくありません。１つはきちんとブラッシングをして口中を清潔に保つこと。歯科ではブラッシングの相談を受けていることもありますので、日々の習慣の質を高めましょう。
もう１つが医師による定期的な健診。腫れ、出血を当たり前にせず、定期的にチェック、アドバイスをもらうことでリスクは随分下がります。
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