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公開日:2019.11.29

人食いバクテリア
市内報告数 過去10年で最多
宮前区で5件

 川崎市内で、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎=溶連菌とともに、「人食いバクテリア」とも呼ばれる劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告数が急増。11月10日までの累計報告数が過去10年で最多の15件となった。宮前区でも市内最多の5件が報告されている。

 市内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告数は、例年10件以下だった。しかし今年は11月4日から10日に4件の報告があったため、累積数が15件となり過去10年で最多となっている。

 宮前区が川崎区と並び5件。次いで麻生区が3件、高津区が2件となっている。男性の罹患報告が多く、全体の80%を占めているという。

 劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、主にA群溶血性レンサ球菌によって引き起こされる感染症。飛沫や、本人も気付かないほど小さな傷口から感染することもあるという。初期症状は患部の急激な痛みを伴う腫れと発熱、咽頭炎などがみられる。30歳代以上によく見られ、発病後数十時間以内に、急速に症状が重篤化。人によっては、数時間で多臓器不全やショック状態から死に至ることもあるという。

 市感染症情報センターは「小さなけがでも、異常な腫れと激烈な痛みを伴う際には、医療機関へ」と呼びかけている。

溶連菌も急増

 過去5年間平均からやや高いレベルで推移していたA群溶血性レンサ球菌咽頭炎=溶連菌も、11月11日から17日に前週の定点当たり3・03人から4・73人に急増している。

 同週の市内の溶連菌報告数は175件。そのうち宮前区は54件と最多で、高津区は42件、川崎区34件、多摩区23件、幸区10件、麻生区9件、中原区3件。「例年これから冬にかけて増える傾向にある」と、同センターは注意を呼び掛ける。

 溶連菌は風邪のような症状と、人により紅い点状発疹と、イチゴのように舌にポツポツとした発疹が出る苺舌が特徴。接触や飛沫により感染するため、患者との接触を避け、手洗いなどが予防対策として有効だという。

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