宮前区が誇る夏の一大イベント「響け!みやまえ太鼓ミーティング」が、新型コロナウイルスの影響で今年の開催を断念。22回目にして初の中止となったが、今までイベントを盛り上げてきた若手がプロ太鼓チームに入団するなど明るいニュースもあり、来年へ向けて実行委員会の士気は上がっている。
みやまえ太鼓ミーティングは、単なる趣味の発表会でなく、交流や子どもを育てるまちづくりなどを目的に1999年、区主導の文化事業を引き継ぐ形でスタートした。以来、市内で類を見ないまちづくりの好例イベントとして定着。毎年宮前区の夏を太鼓の音色で盛り上げてきた。
例年、1月に実行委員会メンバーを公募し、3月には第1回会議が開催されるがコロナ禍により今年は延期。参加する太鼓団体は近隣学校の体育館での練習もできていなかった。年末への延期も検討したが叶わず、今年の開催は中止となった。
新井良子実行委員長は「仕方がないけれど悔しい。また来年は7月まで市民館大ホールが改修工事で使えないと聞く。工事が遅れて開催できず、イベントがこのまま無くなってしまうことは避けたい」と話す。
牽引役 プロの道へ
暗いニュースばかりではない。昨年のイベントで「子どもが参加できるワークショップ開催に向け曲を作ろう」となった際、「俺がやる」と実行委員会を牽引したのは当時18歳の布施洸芽さん。『なつの風』を作曲し、未就学児から中学生までの約30人が本番で演奏した。毎年変わるゲストに名古屋のプロ太鼓団体「志多ら」を招致したのも布施さん。プロの演奏は区民の心とともに布施さんを太鼓の世界へ一層惹き込み、高校を卒業した今年4月から、2年間のプロ研修生として入団し寮生活をしている。
新井さんは「若手に負けていられない。凱旋公演ができるように、伝統文化の灯、情熱の炎は消させない」と話し、実行委員会はより一層の結束を固めている。実行委員長は関係各所への中止の通達文を「来年、元気に倍返ししましょうね!」と締めくくっている。
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