防寒や性の多様性への配慮などを理由に、神奈川県内では約6割、川崎市でも同様の状況で女子の制服(標準服)にスラックスを選択できる学校が広がっている。導入校が毎年増えている。
神奈川県教育委員会の調査では、県内の市町村立中全407校のうち、約6割にあたる237校で女子生徒のスラックスを導入。159校が「個別に対応する」とし、11校は制服がない。
川崎市教育委員会によると、市立中でもここ2、3年で増加傾向にあり、現状は半数以上の学校で女子のスラックスに対応。生徒や保護者の意見がきっかけになることもあれば、学校側が率先して対応するケースもあるという。
富士見中(川崎区)では在校生や新入生、保護者の声を反映させ、2022年度から女子の標準服にスラックスの導入を決めた。取り組みを進めた保護者の一人、菊田由佳さんは「動きやすさからズボンを好んで履く女の子もいる。スカートが理由で学校に行きづらくならないよう自分らしくいられるために選択できることが大切」と話す。
一方、周囲と異なる制服を着ることに抵抗のある生徒や保護者が多いと感じたという。「学校と子どもと保護者が一緒になって多様性を考える必要がある」とも語る。
「自由選択」導入も
今年度から標準服をモデルチェンジしたことにあわせ、「完全自由選択制」を取り入れたのは菅生中(宮前区)だ。性別による色や形の指定はせず、共通の色やデザインで、スラックス、スカート、ブレザー、ネクタイ、リボンなどの組み合わせは生徒の判断にゆだねる。選択制について金子清校長は、「選択の幅を広げることで、子どもたちが自分で判断する力をつけてほしい」とねらいを話す。
対応については学校ごとの判断だが、市教委として「女子用に限らず制服の困りごとがあれば対応し、教員に対する研修や啓もう活動など、学校支援も継続していく」と担当者は話している。
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