元宮前警察署長で、現在区内の障害者向けグループホームの施設長を務める小坂公造さん(71)が、これまでの経験を生かして防犯のための冊子を作製。区内の施設に配架し、地域の安心安全を呼び掛けている。
A4サイズ10枚を綴じた冊子のテーマは『犯罪と依存症から身を守るために』。「依存症が犯罪につながる」との持論から、依存症の症状や診断法、防止策のほか、「24時間こどもSOSダイヤル」や「にんしんSOS」「ギャンブル依存相談」など具体的な相談先の電話番号などを掲載。窃盗や詐欺、悪人など犯罪から身を守るための方法も一緒にまとめ、提言としている。
約40年にわたり警察官として奉職してきた経験をもとに、3年以上かけて参考文献を探し、時には取材もしながら手掛けてきた。完成したものを印刷し、綴じる制作代は自費だ。それでも作成に踏み切ったのは、「防犯の手引きとして使ってもらい、少しでも被害を未然に防げれば」との思いから。
自身が施設長を務める南野川の同ホームの近くで交流があったことから、半年ほど前から有馬・野川生涯学習支援施設アリーノに冊子を配架。冊子をファイルし保存版として保管している高齢者もいるという。「地域の安心安全をまもっていきたい」と、配架先の拡張も視野に入れながら、徐々に手を加え更新を続けている。
地元に恩返し
小坂さんは神奈川県警各署で、生活安全課や県警本部少年課などを経て、1989年には防犯課長として、2004年には署長として宮前警察署に勤務した。定年後、署長時代に交流のあった『かぐやの里』の渡邊寛美理事長に誘われ、現在も同ホームに務めている。小坂さんは「宮前の人は温かく縁がある。安心安全に暮らせる地域になるよう、地域に恩返しができれば」と語った。
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