川崎市は今月、保育所等利用の待機児童に関する4月1日時点の情報を公開。希望の入所先に入れない保留児童数は4年連続で減少し、前年比294人減の1552人だった。宮前区の保留児童は242人(前年比68人減)で市内7区のうち3番目に多かった。
コロナ下では育休延長のために利用申請を行う傾向もみられ、市内保留児童の半数近い767人は育休関係。次いで認定保育園など市の保育施策で対応する児童が330人、特定の保育所等の希望者は307人だった。
各区役所では年度限定型保育や幼稚園預かりなど、多様な施策を入所保留者に案内し、相談に応じてきたという。宮前区では4月1日に向けて「ゆいまぁる保育園東有馬」(定員60人)と「にじいろ保育園有馬」(同)の認可保育園を新設。「ドリームキッズさぎぬまナーサリー」(同30人)と「ハッピーキッズ・ちびっこ園」(同40人)では、認定保育園を認可保育園に移行するなど、受け入れ枠を前年比175人増加させた。さらに区は、7月の「プレ説明会」を皮切りに、10月1日から約2週間かけて相談会を25回実施。コロナ下で園の見学が困難なため、保育所の情報提供シートを区のウェブサイトに掲載したほか、1月24日以降は入所保留者に対する個別相談などのアフターフォーローも行った。区担当者は「取り組みの成果は出ているが、保留児童がいる限り今後も継続していきたい」と話している。
待機ゼロ2年続く
市全体の就学前児童数は6年連続で減少し、前年比3135人減の7万3611人。一方、保育所等の利用申請者数は709人増の3万6107人、利用児童数は1003人増の3万4555人でいずれも過去最多だった。待機児童数は昨年に続いてゼロで、15年と17年に達成して以来、2年連続は初。福田紀彦市長は11日の会見で「引き続き多様な保育受け入れ枠を用意しそれぞれのニーズに応えたい」とし、「就学前児童数が急速に減っている。市全体としては枠は余る傾向にあり、必要なところをこれまで以上にきめ細かく見て施設整備等をすることが必要」と語った。
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