昨秋の台風19号の影響により崖崩れが起きた石積み斜面地(五所塚)の改修工事が、大型連休明けに始まった。「石垣」は1960年〜61年に市の宅地開発で造成されたもので、町内には同様の斜面地が点在する。市は市有地4カ所で詳細調査を実施したが、民有地については適切な維持管理の指導にとどまるなど、住人からは不安の声も聞かれる。
五所塚の崖崩れ現場で改修工事が進んでいる。請負業者によると、造成される擁壁は幅34m、高さ5m。壁面には3平方メートル以内ごとに1カ所以上の水抜き穴を設け、雨水を排出するための側溝も新たに確保した。コンクリートの量も多く、角度はこれまでの75度より緩やかな65度の設計。8月末の完成を予定している。
市有地を調査
同地域は約60年前、市内最初の宅地開発として誕生した。石垣も同時期に造成されたもので、町内には現在も10カ所以上が点在する。昨年10月の台風19号の際、その一つである通学路に面した民有地の崖が崩れ、道路は寸断された。
崖崩れには複合的な要因があるものの、市は現在、崖崩れのあった現場と同様の石積み斜面地4カ所で測量と地質調査を実施中。秋には調査結果をまとめ、被害の防止に努める方針だ。
市が管理するのはあくまで市有地のみ。民有地については維持管理の指導にとどまる。五所塚町内会の高久實会長は「バス通りに面した石垣もある。優先順位をつけて民有地でも詳細調査をしてほしい」と訴える。
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