自殺や不登校が全国的に増加傾向にあることを受け、川崎市は「SOSの出し方・受け止め方教育」を展開。白幡台小学校では11月21日、一部のクラスで自分の心を見つめ、どんな時に心に痛みを感じるかを知る授業を行った。児童はSOSを友だちや大人に伝えること、受け止めることの大切さを学んだ。
同教育は、コロナ禍で全国的に児童の自殺や不登校が増えていることを受け、市教育委員会が企画した。今年初夏に各区の小中学校1校ずつ計14校に行った生活アンケートで、相談できない・したことがない、などの悩みが浮き彫りになり、教育プログラムを作成。今年度中に、市立校の全児童生徒が授業を受ける計画だ。
同小学校の6年1組は「かわさき共生*教育プログラム」の授業として受講。自分自身と向き合うために、ワークシートに自分の長所や好きなことなどを記入。シートを手に他の児童らと交流すると「自分も友人もより知ることができた。心が温かくなった」と感想を話した。担任の五島理絵教諭は、心が痛い、辛い時に自分自身を支えてくれるのが心のエネルギー=レジリエンスだと紹介。シートの好きなことなどがレジリエンスになりえ、沢山ある方が困難を乗り越えやすいという。児童らに分かりやすいよう、まるちゃんとたまちゃんが互いを思いやる「ちびまる子ちゃん」や、自分の限界を自覚して助けを求められる「アンパンマン」などを例に挙げ、「乗り切れない時はSOSを継続的に発信してほしい。みんなも誰かのレジリエンスに成り得る」と伝えた。
児童からは「自分だけで解決しようとせず、頼ることも大切と分かった」「『人のため』を優先して自分を忘れがちだが、自分も友人も大切にしたい」などの感想があがった。
五島教諭は「頼る重要さを伝え、備えてもらう価値ある授業だった。今後社会に出て行く児童らが、SOSを言える強さを身に付けてくれたら」と希望を語った。
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