区の特産として知られる「宮前梨」の収穫が目前に迫っている。今年は梅雨の間の雨量が少なく生育が心配されたものの、各園の潅水作業により順調に育っている。甘味・大きさともに上々の出来だという。
有馬5丁目の「せど梨園」を営む持田篤史さんによると、今年はここ数年に比べると少し遅めの収穫だという。区内6園では来週あたりから収穫、直売が順次開始される予定だ。
県の名産100選、かわさき農産ブランド「かわさきそだち」にも選ばれる川崎産の梨。江戸時代初期に川崎大師河原周辺で栽培されていた記録があるほど、その歴史は古い。現在は宮前、中原、高津、多摩、麻生区で栽培され、総称して「多摩川梨」と呼ばれている。「宮前梨」も多摩川梨のひとつ。1950年代に区内有馬で栽培が始まり、栽培技術の改善や「幸水」「豊水」といった人気品種の登場、「もぎたて、直売」といった販売方法でファンを増やし続けてきた。
現在は有馬、野川地区の区内6園と中原区の2園が「宮前梨組合」を組織し、梨の品質管理に努めている。後継者不足や生産者の高齢化が課題となっているが、持田さんは「他区に比べても宮前区の梨の生産面積は広い。産地としてなんとか残していきたい。組合では管理方法や生育状況など、こまめに情報交換をしている。楽しみにしていただいている宮前梨を提供し続けるためにも仲間同士支え合っていきたい」と話す。
「せど梨園」では「幸水」「豊水」の他、「あきづき」「二十世紀梨」「新星」「新高」と9月下旬頃まで楽しめる品種もある。各園で予約や地方発送も受付中。持田さんは「丹精込めて育てた宮前梨、ぜひお楽しみいただきたい」と話している。
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