1歳児から中学生以下が対象の入院医療費助成について、川崎市は所得制限を来年1月から廃止する方針を示した。市の試算では助成件数と費用に関し、それぞれ約2150件、約1億円の増加を見込む。
一昨年度の入院助成件数は市内で1万420件にのぼり、助成金額は約4億6860万円だった。
小児医療費助成条例の改正に向けて市は、7月30日まで意見公募(パブリックコメント)を行い、小児医療費助成条例の改正案と補正予算案を市議会に提出。年明けの施行を目指す。
市担当者は「持続可能な制度として安定かつ継続的な運用を確保し、子育て家庭の安心感を広げていく必要がある」としている。
入院医療費の自己負担額は就学後(3割負担)では1レセプト(1カ月)当たり平均約14万円となり、通院医療費の平均約1900円に比べ高額な負担となっている。
健康保険制度では自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が高額療養費として支給される。しかし、所得制限により小児医療証が交付されない所得階層では、高額医療費の自己負担限度額が、入院医療費の平均自己不負担額よりも高く設定されており、急激に負担が生じることになる。
支給拡大に賛否
県内33市町村のうち川崎市を含む19市町が入院医療費に所得制限を設けている。
川崎市における所得制限は児童手当制度の所得制限限度額を基準に、扶養人数なしの場合は630万円で、扶養が1人増えるごとに38万円増える。市の試算によると、今年度の助成対象者は1歳児から小6まで2万8163人、中学生が1万1810人、計3万9973人増える見通しだ。
「高額所得者に助成が必要なのか」という意見もある中、通院助成も含めた所得制限廃止を求める声も多い。
市担当者は「限られた財源の中、入院に関しては全ての人が安心できる状況にしたい」と話す。
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