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さがみはら緑区 人物風土記

公開日:2024.05.16

ギャラリー誠文堂で5月20日から個展を開く
生方 美夫さん
中央区在住 73歳

人と自然をつなぐ

 ○…「自然と共生する生活」をたくさんの人に伝えたいと、30年以上、野山で採った素材で作品づくりを続ける。「長いこと『自然との対話』をテーマに制作活動を続けてきた。人が線を引かなければ、どこにいても自然と対話することはできる」と説く。今回の個展では実物の薬草を展示、効能なども記し学びの要素も取り入れる。「図鑑では分からないことが多い。作品を通じて自然の恵みを五感で楽しんでほしい。それが自然と対話する第一歩だと思う」

 ○…自然に恵まれた群馬、渋川の地で育つ。子どもの頃の遊びと言えば山菜採りや川釣り。「家はランプ生活、風呂はドラム缶風呂だったな」と昔を懐かしむ。大学進学を機に上京。卒業後は都立高教諭や大学講師などを経て1984年に妻の出身地である相模原で塾を開いた。「リラックスできる環境で子どもたちに学ばせたい」と自ら山小屋を手造りし、合宿やイベントを実施。夏休みに米国でサマースクールを開くなど話題の塾だった。独学で作品づくりを始めたのもこの頃。3年前に塾は閉校したが、生徒たちが個展に顔を出すことも多い。「うれしいよね」と顔がほころぶ。

 ○…趣味は読書に映画鑑賞。吉田拓郎や荒井由実を聴きながら作品をつくることも。「健康でいないと何もつくれない」と、自然のものを食すように心掛けている。「山の恵みをいただいたりね。自家製の梅干し、お一つどうそ」と笑顔。

 ○…個展や講演で一年中全国を飛び回る。「個展をすると、人と人との出会いができるよね。それが続ける1番の理由かな」と目を細める。今後は「もう少し完成度を上げて、美術教科書に載るくらいの作品がつくれるよう頑張りたい」。自然のエネルギーを味方に夢に向かい走り続ける。

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