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本町田在住山中選手 4度目のデフリンピック マラソンと1万mに出場

スポーツ

掲載号:2022年5月5日号

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サムスン大会(トルコ)で走る山中選手(家族提供)
サムスン大会(トルコ)で走る山中選手(家族提供)

 聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」。5月1日からブラジルの都市カシアス・ド・スルで始まった第24回夏季デフリンピック競技大会に、本町田在住の山中孝一郎選手(40)が陸上競技のマラソンと1万mの日本代表選手として出場する。山中さんの4度目のデフリンピック出場に、市では庁舎に横断幕を掲げて応援している。

 デフリンピックは4年に一度、世界規模で行われる聴覚障害者のための総合スポーツ競技大会。ろう者(Deaf)とオリンピックを足した造語で「ろう者のオリンピック」という意味を持つ。

 生まれた時からほとんど音が聞こえない山中選手は2歳で野津田町の日本聾話学校に入学。手話を使わず、「聴いて話ができること」を教育方針とする同校に通うため、横浜から町田に転居し中学まで学んだ。補聴器を付け、人の唇の動きを読むことで対面して話す人の言葉が分かるように。

 長距離走に目覚めたのは中3の頃。都内のろう学校が一堂に会した陸上大会で1500mに出場。5分を切る好タイムで優勝した。走る楽しさを知り、普通高校を志望し合格した都立山崎高校では陸上部に入部した。ただ、大学ではトライアスロンサークルに入るが、卒業して日立製作所に入社し、システム開発の仕事に就くと、走ることから遠ざかった。

国内外の大会で上位

 それでも入社3年目、運動不足の解消にと、市民ランナーが集まるランニングクラブに入部。練習を重ねるうちにめきめきとタイムを伸ばしていく。ランニングを再開して3年、フルマラソンで2時間45分を切るようになり、2008年には限られた人だけが出られる福岡国際マラソンに出場し2時間28分という「好記録」を出す。翌年のデフリンピック台北大会(台湾)に選考され初出場。マラソンで4位に入賞すると、次の13年ソフィア大会(ブルガリア)では銅メダルを獲得。17年サムスン大会(トルコ)でも4位入賞の成績を残した。

 20年にはびわ湖毎日マラソン大会に出場し、自己最高タイムの2時間25分40秒で走破。これが現在の聴覚障害者の日本記録となっている。ちなみに5千m、1万mの日本記録も保持している。

 両親を亡くし、現在は姉の順子さんと2人暮らし。順子さんは01年から日本聾話学校の教員をしている。ランニングを主軸にしている山中選手の日々の生活を家族として支える。「『大変でしょ』と周りから言われることが多いが、生まれた時からずっとなので、まったく苦労に感じていない。食事時間や外出の予定などを弟のランニングのスケジュールに合わせることくらい」と話し、「今回は日本の裏側まで行くので、時差の調整など大変なこともあると思う。体調を万全にして自分の持っている力を発揮してほしい」とエールを送る。今大会では男子マラソンと1万m走に出場する山中選手。「デフリンピックだからといって特別なことはない。普段通り走ってベストを出せたらいい」とリラックスムードで臨む。

 同大会の陸上競技は日本時間5月7日に開始。

山中選手の母校・日本聾話学校で働く姉の順子さん
山中選手の母校・日本聾話学校で働く姉の順子さん

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