町田市が空き家対策を進めている。現在は他市と比べ、一戸建ての総住宅数に占める割合は高くないものの、空き家になる前の対策を中心にセミナー開催するなど、相談窓口を広げている。
町田市内の空き家数は現在、周辺市などと比べるとゆるやかに増加している状況にある。空き家の状況について分かる「住宅・土地統計調査」(2018年度)によると、町田市の一戸建ての総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は3・2%(総住宅数/9万1400戸、空き家/2910戸)。都内26市の平均4・3%を下回り、最も少ない市から数えて4番目と低い位置にある。
市の担当者は「町田は不動産売買が活発なため、空き家が出ても売却されることが多く、低い空き家率につながっていると考えられる。倒壊の恐れや景観悪化につながるまで放置されることは市内ではあまりみられていない」と話す。
今後は増加?
一方、今後は町田でも空き家が増加していく可能性が高いと市担当者はみる。他市などをみても、親が使わなくなった家を独立した子どもが相続しないケースなどが増えており、「空き家になってしまうと建物の劣化が進み、資産価値が低下してしまう。そうなる前に対策をとってもらえるようにしていきたい」(市担当者)。
そのため、市は今月下旬に、空き家になる前の対策に関する市民向けのセミナーを開催。早期対策の必要性などを市民へ訴えていく考えで、昨年には東急株式会社が運営する「住まいと暮らしのコンシェルジュ 南町田グランベリーパーク店」(鶴間)と住環境づくりに関する協定を締結し、空き家に関する市民の相談窓口として紹介するようにした。
市の担当者は「その他、弁護士や税理士などの士業10団体などにも協力してもらっている。さまざまな相談窓口がある。活用してもらえれば」としている。
19日にセミナー
市が開く空き家に関するセミナーは以下の通り。11月19日(日)は、講演「空家になっても管理することの大切さ」がある「住まいのセミナー」がなるせ駅前市民センター(南成瀬)で開かれる。午後1時から4時で、パネルディスカッション「自宅が空家になる前にできること」も予定。
また、12月16日(土)には、原町田の町田市文化交流センターで「相続と住まいに関するセミナー」が開催される。無料個別相談会を兼ねたもので、午後1時30分から。
それぞれの詳細は市のホームページなどで。
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