東京都が昨年秋から支援窓口を設置するなど「自死遺族」をケアする動きが広まりつつある。そのような中、2018年から市内で自死遺族の集いを開催する団体が新たな取り組みを始めた。自死に限らず、大切な家族を亡くした人を対象とした集まる会で、昨年12月にスタートし3月に2回目の開催を予定している。当事者でもある代表の守下高子さんは「同じ痛みが心の支えになる」と話す。
話すと楽に
守下さんは12年前、自死により息子を失った。あまりに突然のことで悲しみより自責の念にかられたそう。今も当時のことがフラッシュバックするという。
近隣自治体に同じ境遇の人たちが集まる場があることを知り参加すると、「町田にもあったら」と思い、2018年、仲間と自死遺族の分かち合いの場として「新月の会」を立ち上げた。集まりお茶を飲み、気兼ねなくおしゃべりをする。「みんな罪の意識に苛まれている。話すことだけで本当に楽になるものなんです」。守下さんらは行政の支援を受けながら、自分たちでチラシを配るなど告知をし2カ月に一度のペースで活動を続けてきた。
断っていたが...
会(新月の会)を開く際、何度か「自死ではないが、話をきいてもらいたい」という人が受付に来ることがあった。ただ、守下さんらはあくまでこの会は自死遺族のみを対象としていることを丁寧に説明し「お帰りいただくことも何度かあった」そう。そのような中、地域の自殺予防の取り組みを通じて知り合った臨床傾聴士の早借洋一氏からの働きかけもあり「悲しみを共有し、支えあうことのできる地域づくりのために」と昨年春、自死に限らない集いを検討するように。新月の会を運営する傍ら早借氏らと12月、死別を問わない遺族会「とまり木Café」を立ち上げた。季節に1回程度の開催の計画で次回は3月に予定している(詳細は下記)。「私自身も今も悩んでいる。自死でなくても大切な人を亡くされた点は変わりありません。同じ気持ちを分かち合えたら」
居場所づくり必要
自死遺族への相談窓口としては全国自死遺族総合支援センターや昨年10月から始まった東京都の「とうきょう自死遺族総合支援窓口」がある。守下さんは「悲しみを抱えながら様々な手続きに直面した当事者が、死別の直後から対応してもらえる機関はとてもありがたい」とし、「それぞれの自治体が遺族の声に耳を傾け、地域の中で支えあう居場所づくりの必要性も感じています」と話した。
◆とまり木Café/3月20日(水祝)午後5時/地域交流スペースよりみち広場(小山田桜台商店街内)/会費1200円(食事つき)/【メール】tomarigimachida@gmail.com【携帯電話】090・1264・8425/「『死』を受け入れるのはとても難しいです。大切な人でしたらなおさら傷みも深いです。またコロナ禍により最後のお別れも満足のいく形でお見送りできなかった場合もあります。答えの無いなぜ?に迷い込み寂しさと共に暮らす行きつ戻りつの歩みの中でとまり木Caféに立ち寄って貴方の想いを話してみませんか?」(守下さん)
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