町田市バイオエネルギーセンター(下小山田町)で先ごろ、ごみの燃焼ガスに含まれる二酸化炭素(CO2)を活用して栽培したイチゴが収穫された。2050年のカーボンニュートラル実現に向け、市と同センター運営管理者らが協働で実証実験を進めているもので、将来的にはイチゴの市場販売を目指しているという。
実証実験は、市が同センターの運営管理を担う(株)タクマ(兵庫県)、イオングループの農産物生産・加工を担うイオンアグリ創造(株)(千葉県)と連携し、昨年11月から協働で行ってきた。
実験では、燃焼ガスから植物の生育にとって有害な成分などを除去した「CO2リッチガス」を安価で供給することができるタクマの設備(t-CarⅤe)を活用。CO2リッチガスを温室ハウス内で育つイチゴの苗付近に局所的に送り込むことで光合成を促し、生育を進めてきた。
15%大きく
その結果、栽培開始から半年が経過し先ごろ収穫されたイチゴは従来通り温室で育てたものよりも、1粒あたり平均重量が15%大きくなったという。先日は収穫されたこのイチゴを報道陣に公開。新聞社のほか、TV局も駆けつけ、脱炭素の取り組みとして注目を集めた。
CO2に価値を
市担当者は「22年にゼロカーボンシティ宣言をし、実現に向けた取り組みの一つと考えている。CO2を価値ある資源ととらえ、有効活用できれば」とし、タクマの執行役員・池田広司さんは「実用化が近くなっていると感じる」と話し、今後26年まで実証実験を行い、育成や安全性についてみていく考えという。
また、イオンアグリ創造の代表取締役社長・福永庸明さんは「ごみのエネルギー循環ができるようになることでCO2が削減できれば、後世に良い未来を残していけるのではと思う。今後の実証実験を通して、より確実な形にしていけるように皆さんと取り組んでいきたい」と話している。
![]() 実験が行われているビニールハウス
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