玉川学園・南大谷地区の住民主導で進む空き家対策として、「まちの縁側 1丁目の加々美さんち」が注目を集めている。貸主から提供された空き家をレンタルスペースとして運用し、多世代交流の場を増やす試みだ。
運営の主体となるのは、NPO法人玉川学園地区まちづくりの会の「地域資源活性化プロジェクト」。同会は2004年の大規模マンション建設をきっかけに発足した、地元住民目線で住環境の整備について活動する市民団体だ。近年、空き家が増加する同地区で活用方法を模索しながら、同プロジェクトを立ち上げた。
「空き家の何が問題なのか。持ち主の負担や近隣住民の不安などを知ってもらい、空き家にしないための意識を地域で共有できないかと考えた」と話すのは、同会で代表を務める一級建築士の木村真理子さん(67)。木村さんは昨年、コロナ下でもできることを、と「まちかどとっきどっき通信」と題した啓発紙を企画・発行。すると、読者から賛同者が現れ、今回の活用物件が決まった。掃除やペンキ塗りなどの内装リフォームも住民参加のワークショップとして開催。手作りで少しずつ進め、昨年7月に開設した。
プロジェクトの主要メンバーで加々美さんちの運営を担当する翁真由美さん(41)は「先日参加してくださった方に声をかけると、2年前に引っ越してきて、初めて近所の人と話したという人もいらした。空き家活用が、知り合いづくりのきっかけになれば嬉しい」と話す。
同じくメンバーの秋田史津香さん(41)は、今後の展望について「コロナが落ち着けば、子ども食堂やカフェなど、飲食もできるようなイベントを開催していきたい」と話した。
啓発紙の発行や空き家活用などのこれらの事業に加え、多世代交流が目的のもう一つの事業として「ご近所さん会 お庭カフェ」も開かれている。これは、町内会や、地区社会福祉協議会、第三高齢者支援センターなどが連携しており、事業は全て、玉川学園・南大谷地区協議会(服部知行代表)が資金を援助している。
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