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厚木・愛川・清川 コラム

公開日:2019.12.20

新時代読点記
前厚木市議会議員 徳間和男

 今では不思議と思えるほどなくなっている「新住民(新市民)意識」について考えるとき、私にはよく思い出す風景があります。



 新住民が自家用車で砂埃を舞い上げて行く中で、元(もと)住民は、新住民の舞い上げた砂埃をかぶりながら(昭和38年頃の厚木高校の坂道を思い浮かべてほしい)、じっとこらえてその日を過ごしていました。



 私は今でもあの坂道を通るたびに、あの頃のあの風景を思い出さずにはいられません。かれこれ50年ほど前のことです。当時の市長、石井忠重氏は、厚木市に新たに居を構える市民のための「新厚木市対策」に、大きな配慮をされていたように思えます。今考えるとにわかには信じがたい石井政策の一つに「新住民歓迎会」を挙げることができるでしょう。



 私たち緑ヶ丘住民(いわゆる新住民)のためにユニシアの大食堂にて、大歓迎会が催されたのです。ちょっとユニークだと思いませんか?でも今では、その事実を知る緑ヶ丘住民はほとんど亡くなってしまいましたが……。



 でもそれほどまでに当時の課題であった「新住民、元住民」という意識は今はもう感じる機会はほとんどありません。オール新住民の町であった「緑ヶ丘」も今では、「厚木高校の坂道の埃」を改めて思うことはないでしょう。



 あの頃、厚木市の未来を考える上で課題であった「新住民、元住民意識」は、過去の事実として「在った」ことを知る人がいない時代になりました。でも忘れ去られようとしている「新、元住民の問題」とは違う、青少年を地域がどう育てるか、社会的問題が発生した際、地域としてどうかかわるかなど、さらに厳しいまちづくりの課題が提起されていることにも目を向けなくてはいけません。

 

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