4月に発足した厚木市消防本部日勤救急隊の隊長を務める 小川 貴司さん 厚木市寿町在住 45歳
緊張の時こそ冷静に
○…4月に新設された日勤救急隊の隊長として、主に市街地の搬送に携わる。隊員のほとんどが子育て中で、自身も小学生2人のお父さんだ。勤務は朝から夕刻の日勤で、夜勤が当たり前だった消防署の働き方改革のモデルケースともいえる。「24時間帰らない事もありましたが、授業参観にも行ける。これが定着して若手隊員がもっと働きやすくなれば」と目を細くした。
○…搬送中は心電図や血圧計などを注視し、傷病者や付添人を安心させつつ病院側に伝えるべき病状を聞き出す。命に関わる緊張感は、日勤でも薄れる事はない。TVドラマで医療機器の音などを聞くと「動かねば」とスイッチが入ってしまう。救急隊に配属されて15年。知人や親族から怪我の相談の電話を受ける事も多くなり「もっと知識を深めたい」と救急救命士の資格を取った。
○…自宅は消防本部の近くで、厚木小学校の頃は毎日のように救助訓練を眺め、車両に触り、サイレンが鳴ると自転車で追いかけた。10歳の頃に自宅での食事中、祖父が餅を喉につまらせた事がある。大変なことになったと大人たちが慌てているのを見ながら、思ったのは「まずは冷静にならなきゃ」。この原体験が細長く、今の道に続いている。
○…高校時代はサッカーの強豪だった綾瀬西高校へ。中村俊輔選手を擁していた桐光学園を下し、全国へ。チームでは司令塔とも言えるボランチ(MF)を務め、四方八方を見て声を張り上げた。その後膝を痛めてサッカーから遠ざかり、今ではJリーグや有名選手にも関心がない。広い視野だけ選手生活の賜物といい、現場でも危険に気づき、いち早く仲間に声をかける。「いい結果を出したいですね」。司令塔は健在だ。
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