NPO法人チーム絆のメンバーで、ボランティア活動に取り組む 藤原 大(たけし)さん 湘南厚木病院勤務 38歳
「ありがとう」の連鎖が励み
○…7月の九州北部豪雨後には福岡へ入り、今月22日からは渡独予定。「東奔西走」を体現するようだ。ボランティア活動に触れるきっかけは1995年の阪神・淡路大震災。当時高校1年生。「ただテレビを見ているだけ。悔しくて何かしたくて、いてもたってもいられなかった」その思いは、2011年の東日本大震災で行動につながる。勤務先の病院が結成した災害支援チームに加わり、発災からひと月後、宮城県沿岸部で医師たちの後方支援にあたった。以来東北に通い、一昨年、矢沢永吉さんのファンが集う「チーム絆」に出会う。「大ファンというわけではないし場違いかな」と思いつつ、得意のパソコンを使いホームページを管理する。
○…26歳まで東京・多摩で暮らした。夏は水上、冬は雪上で楽しむスキーに興じる仲のいい4人家族。印刷会社を営む父から「手に職を」という勧めで経理の専門学校に進学した。建設会社の一般事務から医療事務へ転職、湘南厚木病院には2013年3月から勤めている。サラリーマンゆえ、ボランティア活動は「仕事に支障がないように」が基本。終業後に車で現地入りして翌日ボラ、終わると取って返して出勤、もザラだ。触れ合う人の「遠くから来てくれてありがとう」という言葉に活力をもらう。
○…先月訪れた福岡で梨農家と知り合った。厚木でなじみの洋菓子店に協力を依頼し、梨を使ったケーキの商品化と復興支援を目指している。試作品を頬張り「これ絶対に売れますよ!」と笑う横顔は無邪気な少年のよう。明後日からはドイツへ渡る。紛争で傷ついた子どもたちの治療を行う「ドイツ国際平和村」を知ったのは、20年ほど前に放映されたテレビ番組。今回は苦心して探した安い航空券を使い、先方の要望に応えて集めた衣類20kgを持参する。思いが先走って、話すときには前のめり。原動力は「やりたいからやるだけ」と言葉少な。そこに真剣さがにじみ出る。恩名在住。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>