小田原市議会第59代議長に選出された 加藤 仁司さん 市内中村原在住 49歳
「情熱」と「経験」が武器
○…4月の市議選で5選を果たしたベテラン。「でも(年齢が)下から数えて7番目なんですけど」と苦笑いを浮かべる。新人9人を迎えた新議会の舵取りになるが「経験豊かな人が多いので」と信頼を寄せる。震災以降、市民の防災に対する関心は高い。「議会は行政のチェック機関ではあるが、防災計画の見直しなどは行政に任せるのでなく、議会も一緒に議論を尽くしたい」と意気込む。市政に対しては「追求」型でなく「提案」型で望む。「その方が政治主導だと思う」。さらりと発した言葉から、確固とした自負が滲んだ。
○…市内井細田で生まれ、すぐに今住む中村原へ。県立足柄高校の1期生で、新校舎が出来るまでの1年間、町役場(現南足柄市庁舎)を仮校舎に高校生活を送った。「木造で台風が来ると窓の桟(さん)が飛んでしまったりね」と懐かしげに振り返る。友人と8㎜映画の製作に熱中したのもこの頃だ。大学時代にはエキストラのアルバイトもした。あちこちロケに参加し、歴史や自然の魅力に溢れる足柄平野も映画で取り上げて欲しい、そんな思いがほのかに宿った。市議になって「映画の街・小田原」を標榜したのもこの頃の経験があったからのようだ。
○…大学4年の時、総選挙で敗れた自民党・亀井善之氏の事務所の門を叩いた。「若気の至り。『亀井さんの当選には、私の力が必要。だから事務所に入れてくれ』と頼みました」と自らの大胆行動を笑う。次の選挙で返り咲くまでの2年半、一日も休むことなく仕事をする亀井氏の「政治に対する情熱」を目の当たりにし「同じ道を自分も歩んでみたい」と思うようになった。約10年の時を経て、それは現実のものとなった。
○…学生時代から趣味のバイクは、行き先を決めないショートツーリングがお気に入り。しかし昨年末あたりからご無沙汰。「ぶらっと出かけてみたい」とこぼすが、議長職が加わり、しばらくは難しそうだ。
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