小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2024.03.23
県からSDGs表彰を受けた認定NPO法人小田原なぎさ会の理事長を務める
乾 恒雄さん
小田原市酒匂在住 70歳
SDGsで障害福祉を推進
○…SDGsの参考となる取り組みを行う企業や団体を表彰する「かながわみんなのSDGs」。ペットボトルのキャップをマグネットにアップサイクルした自主製品「エコマグネット」の創出と販売推進の取り組みで県から表彰された。様々な障害がある人の自立した生活の支援を行う「認定NPO法人小田原なぎさ会」理事長。「活動に関心を持って投票頂いた人のおかげ」と感謝を述べた。
○…奈良県生まれで、高等専門学校で機械工学を学んだ。卒業後、都内の電気通信大学に編入。卒業を控えた22歳のとき「やり残したことがある」と思い立ってバックパック一つでヨーロッパ各地へ放浪の旅に出た。いざ空港に降り立つと旅を始めるのが怖くなっていたが「タクシー運転手から言われたグッドラックがうれしかった」と目を潤ませた。旅をするなかで言語や見た目が違う人との交流から「同じ人間なんだ」と人生の価値観が育った。
○…製造業に機械技術者として就職し、54歳まで従事した。小田原なぎさ会への入会はボランティア講座のセミナーに参加した際、実習先として訪問したことがきっかけ。当時の理事長から誘いを受けて2011年に入会。翌年、理事長に就任した。「ここに来たのは偶然のようで必然」
○…新型コロナが長期化している間も「利用者さんのことを第一に考えた」。受託作業が激減するなかで2020年夏にエコマグネットを創出。利用者が主体となって集めたキャップを冷蔵庫やホワイトボードなどで使うマグネットに生まれ変わらせた。SDGsの視点から「取り巻く社会と当事者が歩み寄り、理解を深める努力を積み重ねながら共に生きる社会の実現を目指したい」と未来を見つめる。
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