神奈川県損害保険代理業協会の会長に就任した 廣瀬 章さん 市内酒匂在住 62歳
プライドをジャズに乗せて
○…設立60年を超える神奈川県損害保険代理業協会で、県西から初めて会長として選出された。昨年から会長代行の任を負っていたこともあり「心構えはあった」と言う。代理店の仕事は損害保険会社と契約者の「橋渡し役」。その橋渡しが「公平かつ公正にできているか」を監視するのが協会の仕事だ。今後の課題は若手の人材育成。オリエンテーションやセミナーなどを開いて入会のメリットを訴える。「意欲のある人はどんどん抜擢して、活性化を図りたい」と意気盛んだ。
○…交通事故に遭った父の示談交渉を見聞きし「本当に妥当なのか解らなかった」。当時の素朴な疑問が「人の役に立ちたい」という思いと共に、保険の世界へ入るきっかけになった。「お客様のニーズにあった提案が出来ているか」を常に自問する。肝に銘じるのは「利益のためでなく、必要なものを提案すること」だ。
○…3月11日の大震災。横浜の協会事務所はビル壁が崩壊し、移転を余儀なくされるほど大きな被害を受けた。地震保険に関する意識が高まる時期だが、現実はそうとも言えない。「地震保険は火災保険の付帯でしか入れない。更新の際に意向を確認しますが、中々…提案してつけた人には感謝されますよ」。大震災の後だからこそ伝わる、押し付けではない優しさ。仕事に対するプライドと重なった。
○…市内蓮正寺の生まれ。小さい頃から「何でもネジを外して中を見たくなる」ほど機械いじりが大好き。今でも事務所のパソコンは全て自分で組み立てるほど。「業者さんにお世話になったことはないよ」と言う。”AKB”で賑わう前の秋葉原の常連だった。機械いじりが高じ、オーディオにはまり、オーディオ好きが高じてジャズ好きになった。「同じ曲がまるで違う曲に聞こえる自由なアレンジに魅かれた」と目を輝かせる。引退後の夢は「ジャズ喫茶のマスター」。しかし夢の実現は、会長就任でしばらく遠のきそうだ。
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