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報徳の森プロジェクトの実行委員長を務める 近藤増男さん (有)小田原植木社長 65歳

公開:2012年1月14日

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視野の先に「一円観」

 ○…「森を再生すれば、川も、里も、海も豊かになる」。木の生育に携わり半世紀近く、経験と実績から得た確信だ。林業、農業、漁業をはじめ、全ての産業が繋がっていることに着目し、山の整備を計画。その最中、東日本大震災が起こった。「小田原の森を活用し、被災地を応援できないだろうか…」。伐期を迎えた森に手を入れ、間伐材を被災地の建材に活用する。二宮尊徳にあやかった「報徳の森プロジェクト」の始まりだ。

 ○…持ち前の発想力と行動力で、まずは前進あるのみ。大学卒業後すぐに祖父が経営していた殖産園を継ぎ、約18ヘクタールを手作業で開墾、3年で年商を3倍にした。「社員を一生面倒みられる会社にしたい」と法人化、退職金制度や雇用継続制度も導入した。仕事場の植木場を植物園として公開する「日本列島植物園」を立ち上げ、7年間で全国約70社が参加する規模にまで成長させたのも、人並みはずれた活力からだろう。「せっかく植物を育てているので、見て楽しんでもらえれば。里地里山づくりにも貢献できて、宿泊や飲食などの経済効果にも繋がる」と目を輝かせる。

 ○…仕事の傍ら、小田原市の無尽蔵プロジェクトや森林管理、久野地区の地域づくりにも尽力する。「父親が早く亡くなったので地域にお世話になった。少しでも恩返しができたら」と、熱い胸のうちを語る。朗らかな表情からは、苦労を微塵も感じさせない。自然と人が集まってくる温かい人柄だ。会社にはひっきりなしに来客があり、家には孫たちが集う。いつも周囲は賑やかなのだとか。

 ○…報徳の森プロジェクトは始まったばかり。「応援することで、小田原の産業も元気にしたい」と、発想の根源には常に尊徳の「一円観」がある。「諦めなければ失敗しない」と、一つひとつの課題を確実に解消し、志へと挑む姿に、二宮尊徳の人物像が重なり合う。強い心魂と、全体を見渡す視野の広さを感じた。
 

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