新玉(11区)の神輿をつくり、茶畑(25区)の神輿を修繕した 小玉 文夫さん 市内栄町在住 65歳
根っからの神輿好き
○…サラリーマン時代のある日、インターネットで神輿のミニチュアキットを発見。早速購入して組み立てながら、「いつか自分で神輿をつくりたい」という少年時代からの夢に火がついた。定年退職後、「ミニチュアを単純に4倍すれば立派な神輿が完成する」。つくりはじめてすぐにその考えが安易だったことに気づくが、諦めず、悪戦苦闘しながら見よう見まねで製作を進めた。製作期間3年。頑丈さと軽さを兼ね備え、白虎や青龍などの彫刻まで施した。一見すると職人が製作したものと見まがう完成度で、地元・新玉地区の神輿として一昨年から松原神社例大祭で町内を練り歩く。その雄姿を思い起こし、「まだまだ未完成。もっともっと細部までつくり込みたい」と目が輝く。
○…小学生の頃に担いだ町内神輿は酒樽を乗せた『樽神輿』。「ほかの地区の神輿は金色に輝く立派なもので祭りの時に同級生とすれ違う度にバカにされ、悔しかった」とはいえ、周囲の神輿が放つ輝き、躍動感、細部にまで施された匠の技に惹かれた。「時間があれば神輿をいじっている。だから公民館ではなく、自宅に置いてある」と神輿への想いは色褪せることがない。
○…中学の部活では器械体操、社会人になってからはじめた空手では有段者に。「いろいろ挑戦したくなるし、ハマりやすいんだよ」と未だ衰えをしらないチャレンジ精神。神輿づくりに日本画、カメラ、オーディオなど、自宅1階の13畳の部屋はさながらアトリエのよう。中でも中学から続けている絵画は大小様々なコンクールで入賞経験を持ち、月に2度、南足柄で指導するほどだ。「当時は夏休みの宿題で、友人の分まで絵を描いたよ」と無邪気な笑顔を覗かせる。
○…「神輿の修理にはお金がかかる。お金をかけずに修理をし、その神輿を見た人、担いだ人、皆が笑顔になればうれしい」。少年時代に描いた夢は、今年の祭りでも一際の輝きを放つ。
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