ミュージックフェスティバル「小田原イズム」の制作実行委員長を務める 木部 数也さん 市内酒匂在住 31歳
音楽で小田原に恩返し
○…昨年10周年の節目を迎えたミュージックフェスティバル「小田原イズム」。イベント終了後の実行委員メンバーとの打ち上げの席で小田原アリーナでの開催話が湧いて出た。「『何年後かにいずれ…』というのなら来年やろう」と、勢いも後押しし、早速予約を入れた。ところが規模が拡大されることで「正直、何から手を付ければよいのか、全くわからなかった」と、10カ月前の心境を振り返る。
○…「やると決めたら、とことんやる」タチ。ロックバンド『ソライアオ』のボーカルとして全国を巡り、ライブハウス「小田原姿麗人」で働く傍ら、出演者の選定・依頼、スポンサー集め、会場の設計図面の作成に至るまで、開催に向け奔走した。単なる音楽イベントではなく”小田原らしさ”にもこだわった。スタッフパスや来場記念品には、かまぼこ組合から譲り受けたかまぼこ板を使用、メインステージや通路には小田原提灯を並べる。「小田原提灯」を知ろうとボランティアの会にも参加、今では市内の小学校で提灯作りを指導するまでになった。
○…音楽との出会いは小田原高校に入学してすぐ。当時は部活への入部が必須だったが、特別興味のあることはなく「部名からして楽そう」と安易な考えで”軽”音楽部に入部したが、いわゆる幽霊部員。そんなある日、校内放送で顧問に呼び出され、強制的にバンドを組まされた。ところがしぶしぶ叩いたドラムに衝撃を受ける。「叩いた瞬間の気持ち良さ。あの爆音、最高だった」。以来、音楽の道にのめり込み15年になる。
○…昨年、都内で開催したワンマンライブ。1階席がファンで埋まる中、はじめて両親を招待した。「親不孝者なので、少しは親孝行できたのかな」と苦笑いしながらも、どこかうれしそう。「音楽の楽しさを教えてくれた小田原への恩返し。若い世代に夢を描くきっかけを与えたい」という想いを胸に、小田原の音楽シーンの新たな幕を開ける。
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