北条手作り甲冑隊城代家老に就任した 森田 信宏さん 小台在住 70歳
甲冑を身にいざ、出陣
○…ボール紙を材料に半年間かけて甲冑を製作する「北条手作り甲冑隊」。5月3日の小田原の恒例行事、北條五代祭りのパレードで披露することが主な活動だ。今年20周年を迎え、節目の年に会長にあたる城代家老を引き継いだ。会員は年々増加傾向で、現在は130人程に。「小学生から高校生ぐらいの若い世代の子たちに積極的に来てもらいたいな。もちろん定年された方も大歓迎です」と微笑む。
○…生まれは静岡県韮山町。北条氏にゆかりのある土地だが「小さい頃は歴史には関心がなかった」。大学卒業と共に技術職に就き、20代後半の頃小田原に転居。プロジェクトの立ち上げに携わるために、日本とアメリカを行き来する多忙な時期もあった。50歳に差しかかった頃、病気を患い約5年間の闘病生活を送ることに。「人生一度きり。このままではだめだ」。前向きに生きることを考え出した頃、地域情報紙で手作り甲冑隊の存在を知り、瞬く間に鎧の姿に魅せられた。「一領できると次はどうしようと試行錯誤を重ねる。今では甲冑だけでなく刀や纏(まとい)もすべて手掛けています」
○…園芸や黒メダカの飼育。趣味は数多くあるが、やはり頭の中は甲冑一色。自宅の部屋にはこれまで製作した本物さながらの甲冑がずらりと並ぶ。「はじめは怖がっていた3人の孫たちも、今では『刀を使っていい?』とか『鎧をつけてみたい』というようになってきた」と祖父の優しい笑みを浮かべる。
○…秋の行楽シーズンは一夜城や小田原城常盤木門、ツーデーマーチに出向き地元の観光PRに一役買う。3年前からは殺陣の指導も受け、戦国時代っぽさをよりリアルに表現する努力も惜しまない。「小田原に甲冑隊ありと思わせたいな」。いざ、出陣。
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