町立湯河原美術館で作品展を開催した 杉山 映子さん 湯河原町在住 61歳
新しさを求め挑む
○…ロウ染めをはじめ、ファイバー、アクリル、水彩などを使った作品を得意とする。3月26日から湯河原美術館で始まった作品展は、緊急事態宣言を受けて途中で終了。「残念ですが仕方ないですね」と肩を落とす。開催期間中に来てくれた人の名簿を見て「こんなに来てくれたのね」。来場者に感謝し、笑顔を見せ気持ちを切り替える。
○…コンピューター関係の仕事を目指し大学は理工学部へ。プログラムを間違えるとすべてが狂う機械の精密さを学ぶうちに、少しの間違いやズレを寛容に受け入れられる人と人のコミュニケーションの魅力に気づいた。教育実習で子どもたちと触れ合った経験もきっかけとなり、大学を卒業後は大磯町内の中学校教諭に。「若いころは人前で話すのが苦手で教諭になるつもりはなかった。今では天職だったのかも」と笑う。
○…22歳の時、教職の傍ら通信制の大学で油絵を学んだ。その後、染物の魅力を知り、40歳の時ロウ染めに魅せられた。「身近なもので誰にでもできる。水の中で染まっていく布の色に感動した」。使うのは3色。グラデーションで色の幅を広げ、鮮やかに美しい作品に仕上げる。昔も今も変わらず毎日創作活動を続けている。「これが私のリズムなの」と軽やかに弾むような声。
○…昨年定年を迎え、現在は指導協力員に籍を置く。会場の入り口にあるプロフィール紹介に「レッツビギン」という言葉が入れられている。これは、常に新しい何かを模索し、挑み続けるという生き方を表した言葉だ。今年はいつもとは違った様子の春、「作品を通じて元気を届けたい」という思いが、いつも以上に今回の展示会には込められていた。湯河原美術協会の副会長。
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