神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

第5回湘南国際マラソンハーフ一般男子の部で優勝した 柏木正嗣(まさし)さん (株)古川・アクアクララ湘南勤務 酒匂在住 28歳

公開:2011年2月5日

  • X
  • LINE
  • hatena

天へ誓う、努力のランナー

 ○…「何が何でも勝つ。だから力を貸してほしい」。レース前日、墓前で誓いを立てて挑んだ戦いだった。ハーフの部が新設された今大会。「いつかできる子どもや孫へ誇れるように」初代王者の称号だけは、どうしても譲れなかった。仲間の声援を背に快走し、独走のまま一番にゴールテープを切った。「少しは親孝行できたかな」。安堵の表情で天を仰いだ。

 ○…小さな頃からスポーツの世界で何かと目立つ存在だった。プロを夢見て中1まで野球に熱中したが、ある日転機が訪れる。箱根駅伝で渡辺康幸(現早大駅伝監督)の激走に心を奪われ「心の底から走ってみたい」と新たな道を選んだ。そんな息子の心変わりを両親は黙って応援してくれたという。それからは陸上漬けの毎日。「誰よりも練習した」高3時には3千m障害で県を制し、大学への推薦入学も決まった。夢への階段は着実に続いていた。

 ○…その矢先、不幸な火事が一家を襲った。残されたのは家を空けていた妹と命からがら逃れた自分ひとり。突如家を失い、家族を失い…目の前が真っ暗になった。全く走ることが出来なくなり、僅か半年で大学を中退。小田原へ戻りバイトを転々とするだけの日々を送った。「どう生きるのか」。迷った末に辿り着いたのは亡き家族に向けた唯一の自己表現である”マラソン”。「もう一度走ろう」そう決めて迎えた最初のレースは今回と同じ、3年前の湘南国際マラソンだった。

 ○…恵まれた練習環境がない中で、雑誌片手に独学で練習に励む。仕事終わりに16Kmのロードワークをこなすのが日課だ。大舞台が終わった今「いずれはフルで華を咲かせたい。自分の走りで誰かを元気にできれば」と、早くも先を見据えている。自分のため、支えてくれる人たちのため、天から見守ってくれる家族のため―もう決して投げ出さない。次なる誓いを胸に、再び天を仰いだ。「ありがとう。もっと上にいくから」。
 

小田原・箱根・湯河原・真鶴版の人物風土記最新6

菊川 鉄也さん

小田原箱根商工会議所青年部(YEG)2024年度会長に就任した

菊川 鉄也さん

箱根町湯本在住 46歳

5月18日

永野 進さん

3月19日付で小田原警察署長に着任した

永野 進さん

小田原市在住 59歳

5月11日

山本 雪乃さん

5月5日に開催される「小田原大合戦」で高校生の部実行委員長を務める

山本 雪乃さん

開成町在住 18歳

5月4日

白川 秀信さん

神奈川県弁護士会県西支部長に就任した

白川 秀信さん

小田原市浜町在住 54歳

4月27日

石黒 太郎さん

(株)籠淸の専務取締役として、本店再建100周年事業を担う

石黒 太郎さん

小田原市城山在住 51歳

4月20日

大曽根 一成さん

「2024 OUR KANAGAWA 展示商談会」の実行委員長を務める

大曽根 一成さん

小田原市曽我光海在住 44歳

4月13日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月18日0:00更新

  • 5月11日0:00更新

  • 5月4日0:00更新

小田原・箱根・湯河原・真鶴版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月18日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook