区内上山在住の陶芸家、徳永美和子さん(55歳)の個展「昔と今の宝物」が今月26日(土)から4日間、自宅兼教室で行われる。徳永さんは昨年6月、すい臓がんを患い手術を経験。個展では、約10年間作りためていた作品約200点が展示される。
徳永さんは、昨年秋に計画していた個展を目指して作品作りの準備を行ってきた。その矢先、5月に体調不良を覚え、病院で血液検査を行ったところ、すい臓がんと診断され入院。6月に手術を行った。
「思いがけない人生の転機を迎え、命の期限について考えさせられました。術後は、陶芸に向き合えることも、限りある時の中にあるものと考えるようになりました」と徳永さんは話す。徳永さんは、過去に開催した個展では、会場やテーマに合わせて作品を制作してきた。今回は命の危機を乗り越えたことで、人生を振り返る意味も含めてテーマを「昔と今の宝物」とし、10年にわたり作りためたものを展示する。
上山で生まれ育った徳永さんは、25歳の時に受講した市民講座がきっかけで陶芸を始め、30歳で本格的に陶芸の道に進んだ。33歳の時に自身の窯を持ち、2005年頃まで都内を中心にパリやスペインなどでも個展活動を行ってきた。「作品を作り続けることだけを考えていました」と話すが、個展を開催するたびに輪が広がり、10年前から陶芸教室「ゆいり陶房」を上山に開き、現在は約30人の生徒を指導している。
今回の個展では、花入れや器の作品が中心。信楽の土を使っており素朴な味わいが特長だ。花入れは、花を飾らなくても存在感のある作品にこだわっており、器は上に乗せる料理が映えるように配慮されている。徳永さんは「家族をはじめ、窯を持ってからこれまで支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを込めて開催致します。大切に育ててきた仕事場も含めて見て頂けるとうれしい」と話す。
個展の開催時間は、午前11時から午後4時までで入場無料(購入可能)。問合せは【電話】045・931・2661まで。
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