2014年中に横浜を訪れた観光客は3452万人、観光消費額は2771億円に上り、横浜市が調査を始めた09年以降で最高だったことが明らかになった。市はこの結果を受け、国内外の観光客に対するPRを強化している。
これは市が横浜市観光動態消費動向調査を基に推計したもの。宿泊客は前年比18万人増の489万人、日帰り客は同300万人増の2963万人となった。また、市内10カ所の観光施設等で聞き取り調査をして算出した平均消費額をかけた観光消費額は同437億円増の2771億円となった。
結果について市文化観光局観光振興課は、国による観光振興策としてビザ要件が緩和されたことで外国人観光客が増えていることや、国内では映画やドラマの舞台として認知されていること、横浜開港祭など大規模イベントが多数行われていること、修学旅行の積極的誘致などを理由に挙げる。
国際的人気に課題
市は将来の少子高齢化、生産年齢人口の減少を踏まえ、国内外の誘客を強化し、経済活性化につなげる方針を掲げるが、特に鍵になるのは平均消費額が高額とみられる外国人観光客だ。市の中期4か年計画では外国人延べ宿泊者数を13年の44万人から、17年時点で60万人を目標に据える。しかし、世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が公表した世界の人気観光都市ランキング2015によると、横浜は日本の人気観光都市トップ10にも入っていないなど、国際的な評価の低さが課題だ。市では中国、韓国、台湾などアジア8地域を重点誘客地区としてテレビやインターネットを使い、PRに注力する。
一方、民間施設も外国人観光客対応に力を入れる。市が14年度に実施した外国人来訪者動態調査で、訪問先として中華街に続き2番目に入った新横浜ラーメン博物館は、世界的なラーメンブームを受け、外国人観光客が増加。ベジタリアンなどのニーズに応えようと精進料理の技法を用いたベジタブルラーメンを販売するなど工夫している。
市では国内外の認知度向上を目指し、今年3月から「あうたびに、あたらしい(Find Your YOKOHAMA)」をキャッチコピーとして打ち出し、観光客誘致に力を入れている。
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