競泳200m背泳ぎでロンドンオリンピック日本代表に決定した 渡邉 一樹さん 市内出身 25歳
泳ぎ続け、手にした「一瞬」
○…代表入りを賭けた日本選手権決勝。調子は良く、自己ベストを出せば代表入りできる自信もあった。普段の冷静さが保てなくなるほどの気持ちの高ぶり。必死に気持ちをコントロールし、200mを泳ぎきった。1分56秒83で結果は2位。自己ベストを0・4秒更新し、日本代表の座をつかんだ。「この一瞬のために水泳を続けてきた」。10歳のころからずっと目指していた夢の舞台。「オリンピックでの目標は決勝進出」と真剣なまなざしで語る。
○…現在所属しているセントラルスポーツに3歳から通い始めた。6歳で選手コースに入り、コーチに勧められた背泳ぎの練習に専念。ジュニアオリンピックでの優勝や国内外の大会で上位入賞など、数々の好成績を収めてきた。高校の時は朝5時から練習をし、都内の学校へ。放課後もクラブへ通った。「でも、止めたいと思ったことはない。ずっと水泳が好きだったので」。アテネオリンピックの選考会で代表を狙ったが、決勝にも進めなかった。「自信はあったから、本当に悔しくて」。その悔しさをバネに、コツコツと努力を重ねてきた。その努力が、ついに実を結んだ。
○…大学卒業まで戸塚区で過ごし、今は千葉県のセントラルスポーツの研究所で水泳漬けの日々。一人暮らし中だが、「意外とホームシックにはならなくて」と充実している様子。休日は疲れを癒すために家でのんびり過ごすことが多いそう。野球やプロレスを観戦するのが趣味で、小学4年生のころから巨人ファンだ。
○…現在、オリンピックに向けた合宿に参加し、調整を進めている。「どれだけ練習してきたかが本番での自信につながる」。一番の課題は前半のスピード強化。後半も粘り強さを大切に、「まずは世界で通用するレベルまで持っていきたい」。寡黙な印象だが、泳ぎに納得できないときは憤りが表情に出てしまうことも。自分に厳しく、黙々と夢の舞台へ泳ぎ続ける。
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