第42回ローザンヌ国際バレエコンクールで2位に入賞した 前田 紗江さん 青葉区在住 15歳
「悔し涙」重ね、自信に
○…「最終に進めただけでも信じられない。名前を呼ばれて初めて、じーんと嬉しさが込み上げてきた」。昨年のビデオ審査を経て、予選に出場した70数人のうち、最終選考に残ったのは20人。2年前、憧れの菅井円加(まどか)さんも輝きを放ったスイスの大舞台で、自分らしい演技を出し切った。
○…2歳年上の姉が発表会で着ていた衣装に魅せられ、青葉区のキノウチ・バレエスタジオに小学1年生のころ通い始めた。体を動かすのが好きで、それまで体操や水泳を習っていたが、バレエ一筋に。小3で初めて発表会に出演し、「白鳥の湖」を踊った。「先輩たちがみんなきれいで、いつかは主役になりたいなって」。次第にコンクールで上位に食い込むようになり、小5のころからプロを意識し始めた。練習や本番で思うように踊れないと、悔しくて人目もはばからず泣くこともあったが、ひたすら練習に打ち込んだ。「できたときの喜びがあったから」。その一言に迷いはない。
○…中2のとき、コンクールの予選落ちを初めて味わった。「舞台で全然イメージどおりに踊れなくて」。周りを気にしてしまい「自分のペースで集中できなかった」と振り返る。「やれることは全てやり尽くそう」。本番直前までリハーサル室で最後の練習をするのが基本スタイルに。失敗したらどうしよう―そんな不安を一つずつ攻略して舞台に立ち続け、「楽しくてしょうがない」という境地に至った。
○…今秋、海外のバレエ学校に入学予定で、3年間学んだあとプロを目指す。「踊りを心から楽しんで、感動を与えたい」。熊川哲也さんも所属した英国ロイヤル・バレエ団で主役を演じるのが目標だ。表現力を磨こうと、プロダンサーの映像を見ては日々研究を重ねる。密かな夢は「いつか外国でのんびりすること」。休日は友達と買い物を楽しみ、大好きなアイドルグループの曲を聴く。笑顔と一緒に、女子高生の一面をのぞかせた。
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