来月から仲町台にあるかもめ福祉工房の理事長を務める 岩田 進さん 旭区在住 58歳
「前向きにコツコツと」
○…障害のある人が布小物の製作、販売を通して、お互いを理解し合いながら心を養うNPO団体の理事長を来月から務める。18人のメンバーそれぞれの個性を生かし作られた製品は完成度が高く、ネットで販売するとすぐに売れるほど人気だという。「安心して働ける大切な場をつくりたい」と穏やかな表情で語る。
○…2年前から工房の副理事長として作業をサポートするほか、花見やバザーなどのイベントを影で支える。「メンバー全員と丁寧に向き合い、懸命に生きる彼らに喜びを感じてほしい」。日本てんかん協会神奈川支部の代表も務め、障害の悩み相談、就労支援なども行う。今まで多くの障害者を社会に送り出してきたが、周囲の偏見による生きづらさから家に閉じこもったり、会社で発作が起きたなどで、退職する人も見てきた。「期待に応えられなかった時は心が痛む。それでも、その人にあった場所は必ずあるはず」。障害者と同じ目線に立ち、多くの人たちの支えになっている。
○…埼玉県浦和市生まれ。父親の転勤で中学の時、大和市に移住した。学生時代は文芸部に入部し、何千冊もの本を読破するほどの文学少年だった。作家の谷川俊太郎氏に憧れ、詩を書いていた時期もあるという。「自分の心を表現するのが好きだった」と当時を振り返る。38歳で福祉の道に進み早20年。助けを必要とする人に入浴や食事、一緒に散歩するなど、自分にできることは何でもした。「利用者から感謝され、笑顔を見るのが楽しみになった」
○…韓流ドラマに影響され、韓国へ足を運ぶことも。「古き良き日本を思い出す」とその魅力を語り、息抜きも大事にする。日本に戻れば工房のメンバーと、駅前の清掃や花壇の水やりなどの地域活動も積極的に行う。「地域の一員として、まちを盛り上げていきたい。前向きにコツコツと努力を積み重ねていくことで、みんなが暮らしやすい環境をつくっていく」
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